2025年度高専大会東海ブロック卓球競技の当番校は沼津高専。
前回はコロナ禍で中止になったため、今回は実に10年ぶりに当番が回ってきました。
東海ブロックは以下の5校が持ち回りで行っているため、5年に1度回ってきます。高専在学中に1回は地元開催が回ってくるので、その時はぜひ応援に駆けつけてあげてください。
- 沼津高専
- 豊田高専
- 岐阜高専
- 鈴鹿高専
- 鳥羽商船高専
他の競技のことはわかりませんが、卓球競技は県卓球協会の協力を得て、協会から公認審判員が派遣されて競技が行われます。
私は静岡県卓球協会事務局員であると同時に上級公認審判員の有資格者。また、高専卒業生の保護者ということもあり、以前から「沼津で高専大会が開かれる時は審判をやりたい」という思いを、協会と高専の双方に伝えてきました。
本記事では、高専側と協会側の両方を知る立場から、高専大会運営スタッフの一人として関わった高専大会の舞台裏や、そこで感じた高専らしさについて紹介します。

高専大会が開催されるまで

沼津高専が当番校になるのは、実に10年ぶり。
前回はコロナ禍の影響で大会自体が中止となり、高専側も県卓球協会側も人が入れ替わっていることもあり、過去の運営を詳しく知る人はほとんどいないという「手探り」の状態からのスタートです。
会場の確保
会場の確保やタイムスケジュール、設営などは御殿場卓球協会の協力のもとに進められましたが、とりわけ会場確保には相当苦労したと聞いています。
顧問の先生本当はエアコンのある会場を押さえたかったんだけどね。エアコンはないけど、空いていたのがここしかなかったの。でも標高はあるから、多少なりとも涼しいんじゃないかな。
こうして決まったのが、静岡県の東の端、雄大な富士山が目の前に広がる小山町総合体育館です。
審判員の確保
静岡県の卓球人口は西高東低。公認審判員の有資格者も西高東低で西部に集中しています。
東部地区だけでは必要な審判員を確保できず、中部地区にも声を掛けるも、宿泊を伴う距離となるため、なかなか思うように集まりません。
一方、西部地区在住の私はというと……、あまりにも遠方過ぎて、当初はまったく声がかかりませんでした。
しかし、県卓球協会の審判委員長・事務局長を通じて御殿場卓球協会に連絡し、最終的に審判員の一員として加えてもらうことができました。
私に声がかからなかったのは、あまりにも距離が遠く、「県卓球協会の規定に沿って交通費や宿泊費を算出すると、かなり費用(予算)がかさんでしまう」と、依頼をためらわれていたそうです。



高専大会の運営費用は高専側から支払われるので、高専が了承すれば問題なし、ということになりました。
高専大会当日


高専大会へは娘と、娘の彼氏とともに向かいました。



高専卒業生の娘が後輩たちを応援したいというので、どうせ同行して会場に行くので、審判員をやらせて



お母さんが審判員をやるっていうから、お母さんの審判ぶりを見に来たんだよね。
とお互いにお互いを口実にしつつの参加です。
ホテルにて
遠方の会場ということもあり、当然ホテルに前泊します。
翌朝、朝食のために食堂へ行くと、そこにいたのは
鈴鹿高専卓球部(のロゴが入ったウェアを着た学生たち)



君たち高専大会に出るの?私はその審判をするために来たの。よろしくね。
なんて思わず声をかけて盛り上がったりして。
実際、本当にその学生の審判を担当することになった時は、思わぬフラグ回収に、心の中で笑っちゃいました。
審判員控室にて
審判員控室では、大会運営に関する打合せが行われます。
高専がどのような学校なのか一般にはよく知られていないこともあり、他の審判員の口からつい出てくるのは「高校生」や「生徒」という言葉。
- 高校生じゃなくて高専生!
- 生徒じゃなくて学生!
- 高専は5年制!15歳から20歳までの子たちがエンジニアを目指して切磋琢磨する場所
- この大会に優勝しないと全国高専大会には行けないの
- たまにインハイに出場するレベルの猛者がいる
などということを、私は優しくも力強く訂正と説明を繰り返してしまいました。そんなことを帰りの車の中で娘に話すと、



生徒とか高校生っていうのは高専生に対して失礼だから、訂正してくれてマジ正解!
私はこれまで娘の高専大会の応援に駆けつけたりして高専大会のことを知っている人、かつ審判員のことも分かる人、ということで、両者の橋渡し役として審判よりも進行係の手伝いをすることになりました。
元国体選手の先生の解説
顧問の先生のうちの一人は元国体選手。先生はとても生き生きと動き回っていて、高専大会の運営を楽しんでいました。
すぐ近くの台で行われている試合を見ながら、スタッフ参加の学生に、
今のボールはね、◯◯だから、こっちの方向にこういう力がかかって、こういう回転になって、ウンヌンカンヌン……。だからこれを打つためにはラケットをウンヌンカンヌン……。
目の前のプレーを物理学的かつ論理的に説明をしていました。理系の端くれである私としても、非常にわかりやすい説明。高専らしいなと思いながら聞いていました。
それを娘に話したら、



ふ~ん、そんな説明をしてたんだ。でも、あの先生の専門って、化学のはずだけどな。
って、何だそのオチ。
タイムスケジュール
実は今回のタイムスケジュールは、私が応援に行ったことのある高専大会のタイムスケジュールとは異なっている部分がありました。
2日間開催の大会のため、体育館はその前日も含め3日間借ります。
本来であれば準備のためだけに費やされる初日。その夕方に開会式と選手宣誓が行われ、最終日は14時までには終わるように組まれていました。



鳥羽高専の離島に住む子たちが船の最終便に間に合うように帰れるようにするためには、この時間に終わらないといけないんです。
とのこと。かなり巻いたスケジュールであることに納得すると同時に、鳥羽商船高専が当番校の時は
「沼津の子たちが帰れなくなっちゃう」
と、同じように配慮しながら運営してたりするのかな?さすがに船の便の心配までする必要はないけれど。
と想像してしまいました。
大会を終えて


一般の高校卓球(東海地区)といえば、男女ともに愛知県が断トツに強く、静岡や岐阜、三重が続きます。
他の審判員たちは、そうした感覚が高専大会では通用しないということに、まず驚いていました。



高専大会はね、小学生の頃から卓球をやっているクラブ上がりの子がどれだけいるかが勝負で、一般の高校とは感覚が違うんだよね。
今大会は飛び抜け強い学生を擁する岐阜高専が男女ともに優勝。
しかしその学生たちは現在5年生。
来年には卒業していなくなってしまいます。クラブ上がりの部員をどれだけ擁するかで、勢力図が変わるのが高専大会。来年はどうなっているのかわかりません。
全日程を終えて会場を出ると、駐車場には岐阜や鈴鹿など、遠方から応援に駆けつけた保護者の方々の車が並んでいました。あいにくの曇り空ではっきりとは見えないものの、目の前に大きく広がる富士山を喜んで写真に収めている姿。
地元の人間には当たり前の富士山も、「喜んでもらえたんだな」と嬉しい気持ちになります。
また5年後、沼津高専が当番校になります。



すごく楽しかったから、また関わりたい。今度は公認レフェリーの資格を取って、審判長として参加できたらいいな。頑張ろう!
- 大会審判長を務めるためには、さらに上の公認レフェリーの資格が必要になります。














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