高専と公立高校理数科、どっちがうちの子に合ってる?【保護者目線で比較してみた】

中学3年生の進路先選び。

保護者

普通高校に進学するものと思っていたけれど、高専に行きたいと子どもが言い出して。普通高校の理数科でも良いじゃないの?

親としては、高専に進学するよりも、情報量の多い普通科高校に進学してくれたほうが安心感があります。

高専を第一志望に選ぶお子さんは、第2志望に公立高校の理数科を選んでいることが多いです。

  • 早い段階から工学を専門的に学びたい
  • 普通高校より実践的な勉強がしたい

と考えていますが、中には次のように迷っている中学生もいるのではないでしょうか。

中学生

高専で専門的に学びたいけど、普通の高校生活もちょっと気になるんだよね。

高専と普通高校、どちらも魅力的な学校ですが、当然課題もあります。

メリットとデメリットは表裏一体。

本記事では、教育内容、学校生活、卒業後の進路という3つの観点から、それぞれの特徴をわかりやすく比較してみました。

とある高専生

比較して考えた上で、私は高専を選んだよ

目次

教育内容を比べてみよう

教育カリキュラムや学ぶ内容を比較すると、以下の通りになります。

高専普通高校理数科
専門的な技術・科学分野について学べる
実験・実習を通して、実践的スキルを学ぶ
留年がある
幅広く文系科目も学ぶ
理数科の基礎値知識を深める
留年はほとんど泣く簡単に卒業

高専:専門を早く深く学べるが、文系科目は少なめ

高専は、1年生の早い段階から専門的な内容に触れられるのが最大の特徴。

実験や実習も多く、「手を動かしながら学ぶ」ことが好きなお子さんには向いています。

すぐに実践的なスキルを身につけたいお子さんにはおすすめできる学校です。

ただし、国語や社会といった文系科目の授業時間数は普通高校に比べてひじょうに少ないので、分離バランスを大事にしたいご家庭には、少し気になる点かもしれません。

とある高専生

文系科目嫌いだから、問題なし!

高専男子

文系科目なんて、興味を持った時に本で読めば良い!僕は自分の好きな専門を早く学びたかったから、高専を選んだ。

公立高校理数科:バランスよく学べる安心感

公立高校理数科は、理数科といえども国語や社会をバランスよく学べるカリキュラム。

理系科目も高校レベルの基礎をしっかり固めてくれるので、大学入試にも対応しています。

とある高専生の母

地元の高校の理数科に工場見学といったカリキュラムがあったから、第二志望に理数科を勧めました。

同じ理数科でも、学校によってカリキュラムは異なります。学校案内パンフレットや口コミなどで、教育内容をチェックしましょう。

学校生活を比べてみよう

高専普通高校理数科
5年間ずっと同じクラス
女子学生が少ないため、部活動の団体戦に出場できないこともある
高専特有の部活動がある
募集人数が少ないため、3年間同じクラスのこともある
普通科併設なら女子の人数を確保できるので、団体戦に出場できる
一般的な高校の部活動

高専の部活動は、一般的な普通高校と大して変わりません。

高専:5年間クラス替えなしの仲間との絆

高専は、基本的に1学科1クラス。

5年間同じクラスメートと過ごすため、良い仲間に恵まれれば、一生ものの関係が築けます。

ただし、留年や編入による多少の変動はあります。

一部の高専では、1年時は全体で学び、2年から学科に分かれるケースもあります。

また、女子が2割しかおらず、部活動参加も強制ではないため、女子の団体競技では団体に出場できないことがあります。

とある高専生

1~5年生が参加できる高専大会はでられるけど、1~3年生しか参加できない高体連の大会は、人数足りなくて参加できんかった。悲しい。

高専の部活動といえば、やはりロボコン部!

公立高校理数科:3年間の高校戦活を満喫

理数科の募集は1~2クラス規模。2クラスであれば、クラス替えがある場合もあります。

理数科の女子率は低いですが、普通科が併設されているのが一般的なので、学校全体では女子率はそれほど低くありません。

部活動で団体戦にでられないという心配は、ほぼありません。

卒業後の進路を比べてみよう

進路高専公立高校理数科
就職希望者の内定率100%基本的に神学
進学先国立大学工学部への編入(3年次)大学受験を経て1年次から入学
受験校数複数の国立大学を受験可能何校も国立大学を受験できるわけではない
学部の選択肢ほぼ工学部のみ医学部・薬学部など幅広い

高専卒業後

高専により年度により就職にするか進学にするか、その割合は大きく異なります。

2/3以上の学生が進学するような明石高専もあれば、ほとんどが就職で進学する学生は数名というところもあります。

就職の場合

企業からの求人が多く、推薦制度も整っているため、就職は非常に有利

就活に時間を割くことなく、内定を得られるケースが多いです。

就職氷河期のときでさえ、高専には学生一人当たり15社以上と、多くの企業から求人があったそうです。

とある高専生の母

就職氷河期で苦労した私は、羨ましい限り。

今は一人あたり30社以上の求人が届いているのだとか。

高専から企業への就職は、学校推薦を利用する場合は「1人/学科」と決まっています。

その企業への希望者が複数名いた場合、当然のことながら成績上位者が推薦を受けることが出来ます。

高専男子

成績が悪くて第一志望の推薦は受けられなかったけど、第二志望に内定したから良かった。

進学の場合

国立大学工学部3年次に編入できます。(ただし、東大・京大など、一部の大学では単位の都合で2年次から)

一般的な大学受験ではなく、編入試験を受けます。

高専生対象の推薦枠がある大学もありますし、一般編入試験もあります。

ただし工学部以外への編入学はひじょうに難しく、ほぼ工学部一択

豊橋技術科学大学および長岡技術科学大学は、高専生の受け皿として設立された大学という経緯もあり、ひじょうに入りやすい大学です。

とある高専生

推薦で入学しやすいと言っても、高専で良い成績を取っている必要があるからね。学業以外にも寮活と部活を頑張ったから推薦で入れた。

技科大は企業からの評価が高く、「隠れた名門校」とも言われることがあります。

技術科学大学以外にももちろん進学は可能で、東大や京大をはじめとする旧帝大、東工大といった難関国公立大学の工学部へ進学可能です。

高専の先生

難関大へ進学する学生は、常にトップクラスの成績をとっていますね

普通高校理数科卒業後

普通高校理数科は、一般的に偏差値が高いことが多く、生徒の大部分は就職することなく大学進学を目指します。

大学進学はもちろん、大学受験を経て1年生から入学します。

進学先は工学部に限らず、医学部・農学部・薬学部・理学部など幅広い選択肢があります。

理系に進みたいけど、まだ将来の専門が決まらない」そんな場合には、普通高校理数科を選ぶのが安心です。

高専と理数科、うちの子にはどっちが合ってる?

最後に、進路選びのヒントをもう一度。

項目高専普通高校理数科
進学先工学系に強い多様な学部を選べる
大学受験基本的に不要必要
自由時間比較的多い受験勉強中心

高専の魅力は、「大学受験のない5年間で、好きなことにとことん打ち込める」こと。

だからこし、高専生は「頭がおかしい(もちろん褒め言葉)」と言われるほど、夢中になれる何かを見つけて、キラキラと輝いています。

高専祭では、高専だからこそ自分の趣味を貫いて、キラキラ輝いている学生に出会えます。

迷っている保護者の方へ

高専にも普通高校理数科にも、それぞれ良い面悪い面があります。

はっきりと目標があれば悩まないのですが、お子さんに「はっきりとした目標ない」のなら、普通高校を選ぶのが懸命な選択です。

でも、下記のようなお子さんなら、高専はきっとその背中を押してくれる場所になるはずです。

  • 工学を深く学びたい
  • やりたいことがある

どちらを選ぶにしても、「その先にどんな未来があるか」を、お子さんと一緒に考えてみてください。

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この記事を書いた人

沼津高専機械工学科を卒業し、現在豊橋技科大4年生の娘をもつ母です。
娘は2年時:階長、卓球部部長→3年時:棟風紀、学習支援部長、卓球部部長、美化副委員長→4年時:寮生会長、美化委員長
私は教育後援会教育部会副部会長(2年時)→浜松支部副支部長(3年時)→浜松支部支部長(4・5年時)
と歴任しました

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