高専を進学先として調べていると、偏差値や進学率と並んで、「高専御三家」という言葉を目にしたことはありませんか?
保護者どうせなら御三家と呼ばれるようなところに行かせたいと思ったんだけど、結局どこなのかよく分からないわ。
と感じた保護者や受験生も多いはずです。
しかし結論から先にいうと、高専御三家に明確な定義はありません。
偏差値で語られることもあれば、歴史や進学実績で選ばれることもあり、立場によってその顔ぶれは驚くほどバラバラです。
本記事では、受験界隈で独り歩きしがちな「御三家」という言葉の意味とその背景を整理し、自分に合った高専の選び方まで解説します。


高専御三家とは?公式な定義は存在しない


「高専御三家」という言葉は、実は公式な呼称でも教育機関が定めた分類でもありません。
私立中学受験における「開成・麻布・武蔵」のように、誰に聞いても同じ3校を指す、というものではないのです。
よく名前が挙がる高専と、その理由
実際によく挙げられる例を見てみると、次のようにかなり幅があります。
- 明石・鈴鹿・奈良
- 豊田・群馬・明石
- 沼津・奈良・久留米
- 明石・久留米・沼津
この時点で、「御三家」という言葉がかなり曖昧であることが分かります。



明石は当然だと思うけど、他は御三家と言えるのかどうかわからん。人によってあまりにもバラバラすぎて。高専生自身はそもそもあまり気にしてないことの現れかも。
一般的には、
- 進学実績が高い
- 難関国立大学への編入が多い
といった観点から、特に評価の高い高専を便宜的にまとめて呼ぶ言葉として捉えたほうが良さそうです。
特に明石高専は受験偏差値が全国でも高水準であり、難関国立大学への編入実績が安定して多いといった理由から、「御三家の筆頭」として語られることが多い存在です。
ただし、これらの評価はあくまで結果論であり、序列を意味するものではないという点に、注意してください。
入試偏差値を基準にした「御三家」の考え方
高専御三家を語る際、最も分かりやすい指標として使われるのが入試偏差値と倍率です。
- その年にどれだけ成績上位層が集まったか
- どの程度の競争があったか
を示す目安にはなります。
ここで注意したいのは、高専の偏差値には次のような特徴があります。
- 受験偏差値はあくまでも合格ボーダーライン
- 上位層は青天井で実力差が大きい
- 年度や学科による変動が大きい
そのため、高校受験のように「偏差値〇〇の学校」という固定的な序列は高専には当てはまりません。
「進学高専」「旧一期高専」と呼ばれる学校群
高専御三家とあわせて語られることが多いのが、「進学高専」「旧一期高専」といった括りです。これは、
- 本科卒業後に国立大学・難関大学へ多く編入している
- 創設が早く、教育・研究の蓄積がある
といった特徴を持つ高専を指して使われることがあります。
こうした言葉の背景には、高専を「就職のための学校」ではなく、高度な専門教育を受けて大学・大学院へ進むためのルートとして捉える人が増えているからかもしれません。
ここで誤解していけないのは、進学実績は高専の教育の目的ではなく結果であるという点。
そもそも高専の設立目的は高度な技術者を育てること。進学高専と呼ばれるような学校でも、難関大への編入試験対策を行っているわけではありません。
序列よりも大切な「研究内容」と「教育環境」


高専を高校受験と同じ感覚で見てしまうと、
- どこが上か
- どこが有利か
といった序列の話に意識が向きがちです。
しかし実際の高専生活や卒業後を考えると、それ以上に重要なことは以下の2点。
- どんな研究分野に触れられるのか
- どんな教育環境で5年間を過ごせるのか
高専は全国一律で評価される学校ではありません。



私自身は、地方国立大学に近い立ち位置の教育機関なのかな?と思っています。
- 世界的、全国的に有名な企業への就職に強い
- 地元の有力企業への就職にも強い
地域産業に根ざした実学教育を行う高等教育機関だと考えています。
高専ごとの特色を見極める視点
- 機械・電気・情報など、学科構成に地域色がある
- 地域産業と連携した実践的な研究
- 教員の専門分野による研究テーマの違い
同じ高専でも学校が違えば、学べる内容や力を入れている分野は大きく異なります。
例えば、同じ機械系でも、電子寄りの内容が強い学校もあれば、材料・加工・設計に重点を置く学校もあります。



同じ機械科でも、沼津高専と豊田高専ではぜんぜん違うよ。豊田高専は電子寄りって聞いたことある。
進学実績だけを見ていると、「そこで何が学べるのか」という本質を見落とす危険性があります。
キャンパスの雰囲気と立地も重要な判断材料
高専は、原則として5年間通う学校です。
そのため、学習内容だけでなく、生活環境も含めた相性を考える必要があります。
- 寮生活が必須なのか
- 自宅通学可能なのか
- 都市部か郊外か
これらは、生活リズムや人間関係、学習への集中度にも影響します。
設備と研究室のラインナップ
高専教育の大きな特徴の一つが、実験・実習を重視したカリキュラムです。
- 充実した実験・実習設備
- 早い段階から研究に触れられる環境
- 卒業研究で取り組むテーマの幅
どんな研究室があり、どんな指導教員がいるのかにより、学生が得られる経験は大きく変わります。
こうした教育と研究の積み重ねが、結果として進学実績や就職実績につながっているのでしょう。
まとめ:御三家より「自分に合う高専」を選ぼう
「高専御三家」という言葉は、高専受験を考える際の一つの目安になることはあります。
しかしそれは、偏差値や進学実績といった限られた指標から便宜的に語られている言葉にすぎません。
高専は全国一律の序列で評価されるような学校ではありません。
それぞれの高専が、地域や分野ごとに異なる強みを持つ高等教育機関です。
だからこそ、何を学び、どんな技術を身につけたいのかという視点で選んでほしいと思います。
- 5年間、切磋琢磨できる環境か
- 学校のカラーが自分にあっているか
といった自分軸の基準で高専を見てください。
学校選びに絶対的な正解はありません。あるのは自分にとっての「No.1高専」です。
















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