高専卒業生は企業からどのような評価を受けているの?

高専を卒業後、

  • 就職
  • 大学編入→就職
  • 大学編入→大学院進学→就職

と、いつかはどこかの企業に就職するのが一般的です。

保護者

高専卒業生は企業から高く評価されているって言うけど、実際のところどうなの?

会社に高専卒の方がいる人であれば分かるかもしれませんが、高専卒はひじょうに希少な存在。

会社に高専卒がいない人の方が多いでしょう。

先生

高専の卒業生は、企業の方から大変評価されていまして……。

と高専の先生が言ったところで、半信半疑の方もいるのではないでしょうか。

高専卒業生は希少なので実例も少ないのですが、希少な高専卒業生がいる企業の方の話や、自分の周りの高専卒業生をみていて感じたことなどを紹介します。

目次

高専卒業生のいいところ

高専卒は、大卒生よりも知識面で劣っているところがあることは否定できません。

しかし、知識以上に身につけている何かがあり、企業はそれを評価しています。

人事部長

大卒なんかよりも高専で寮生会長を経験していたやつのほうがぜんぜん使えるからね。大卒よりも高専卒を採りたいんだよね

なかなか言葉で言い表すことのできない、何かがあります。

寮生会長になった娘を見ていて、理由がだんだん分かってきました。

リーダーシップ

管理能力と言いますか、指導能力と言いますか、調整力と言いますか……。

実験実習はチームで取り組むことが多いですし、学校行事や寮生活を通して身につくのではないでしょうか。

自立と自律を求められる寮生活を通して、それが更に鍛えられるのではないかと考えています。

寮生活経験者しか見ていないので、自宅通学生はどうなのかは分かりません。

きっと、当の高専生はリーダーシップが知らず知らずに身についているだなんて、全く意識していないと思います(リーダーシップ力について、寮生会長にまでなった娘には全力で否定されました)。

考える力

自由な校風の中で様々な活動を行い、「問題解決能力の高いバイタリティのある人材」が育成される高専。

教えてもらわなければ何も出来ない人が多い中、高専卒は自分の考えを持っています。

仕事でさまざまな資料を作成したとします。

教えてもらわなければ何も出来ない人は、たとえ大卒であろうと院卒であろうとまとめたら終わり。それについて自分はどう思うのか、次はどうしたら良いのかという意見が出てきません。

自分で考えられる人というのは、それについての自分の意見を持っています。

人事部長

仕事というものは、いつも答えがあるものじゃないんだよ。
正しいか正しくないかは問題ではない。高専卒の子は、大卒の子に比べて自分なりの解決策を考えて持ってくるんだよ。

仕事というものは、やってみなければわからないことも多いもの。それ以前にアイデアや考えがなければやってみることすら出来ません。

高専→院卒生のいいところ

高専卒の良いところに加えて、大学院まで進学したことにより、知識も普通高校→大学→大学院卒の人と同じになります。

職場に1人しかいないので、n=1の評価でしかありません。

たまたま彼の性格によるものなのか、それとも高専卒特有の特性なのか、判断が難しいところです。

しかし、娘の性質がだんだん彼に近づいてきているようにしか見えないので、おそらく高専で身につく特性ではないかと考えています。

ちなみに、彼は高専で階長と部長を経験しています。

指示および調整能力

そんな彼ですが、他の同期社員と比べて、「すごいな、さすがだな」と思うところが多々あります。

他の人に仕事を依頼するとき、決して人を見下すような態度を取りませんし、説明も丁寧です。

相手が先輩社員でも、先輩を立てつつもお願いするのが上手です。

人に仕事をお願いしたあとも、決してそのままにはしません。他の人よりも頻繁に進捗状況を確認しにきますし、わからないことがあるかどうかも確認に来ます。

人に頼むのが上手いな…と、思っています。

問題解決能力

実験で問題が発生した時の対処能力が高いです。

人に仕事をお願いするとき、自分ではほとんど手を動かさない社員がいる中、彼は必ず自分の手を動かしています。それゆえ、何が問題なのか見つけるのが早いですし、解決するための行動も速いです。

実験以外でも、問題が発生した時の行動は速いです。

忘れてしまう人が多いのに、ちゃんと対処してくれます。

そして自分では手に負えないと判断したときは、周囲に相談して解決に当たっています。

仕事を進めるのが上手いな…と、思っています。

留年制度のいいところ

高専には大学と同じように留年制度があります。

留年制度があるからこそ、高専卒生の質が担保されているのだと考えられます。

まとめ

以上のことがあるからこそ、就職先企業で高専生の良さが認められ、高専の就職率の高さにつながっていると考えられます。娘の成長を見ていても、納得できることです。

留年制度は賛否両論あるかもしれませんが、高専ブランド維持のためには必要なことなのかもしれません。

高専卒業生が普通高校卒業生と何かが違うのはなんとなく分かるのですが、言語化するのが難しくて困ります。

でもなんだろう…、仕事に対する取り組み方が、明らかに違うんですよね。

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この記事を書いた人

沼津高専機械工学科を卒業し、現在豊橋技科大4年生の娘をもつ母です。
娘は2年時:階長、卓球部部長→3年時:棟風紀、学習支援部長、卓球部部長、美化副委員長→4年時:寮生会長、美化委員長
私は教育後援会教育部会副部会長(2年時)→浜松支部副支部長(3年時)→浜松支部支部長(4・5年時)
と歴任しました

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