高専生は塾に通う必要がないっていうけど、勉強がわからなくなった時のことを考えると、本当は行ったほうが良いんじゃないの?
勉強がわからなくなった時、ついていけなくなったときのことを考えると、やはり「塾に通わせたほうが良いのでは?」と思いたくなる気持ちも分かります。
よく言われることですが、高専生は大学受験を経て大学に入学するわけではないので、塾に通う必要はないと言われています。
塾が必要ではないことは本当のことですが、塾が必要ないという理由は上記の理由からではありません。高専生にとって塾が必要ない理由は、
そもそも普通高校とは学習内容が違う。
この一言につきます。
本記事では、
- 普通高校と学習内容が違うとはどういうことなのか
- 勉強がわからない時はどうすれば良いのか
- 塾に通う一部の学生の例
について解説します。本記事を読めば、高専生に塾は必要ないことがわかります。
普通高校と学習内容が違うとはどういうことか
現代国語や数学Iなど、科目名を見ると普通の進学校と同じように思えるかもしれません。
しかしよくよく聞いてみると、
- 使用する教科書が普通高校のものとは違う
- 数学などの理数系科目の学習進度が違う
といったことがあります。
高専の授業がわからないから塾に行って補修を受けたいんだけど……。
と思っても、教科書が違うだけでなく学習進度も普通高校とは全く異なっているので、塾に行っても意味がないのです。
進学校は大学受験を目指し、それに合わせた授業を行っていますが、高専は大学受験とは無関係なので、同じ科目でも独自の教育内容になります。
同じ科目ても、高専は工学に合わせた内容になっています。
学習進度が違う数学
国語と行った文系科目はそれほど力が入っていませんが、数学はとにかく進度が早いです。
高専や学科によって違いはありますが、1年半~2年で普通高校が3年間で学ぶ数学を終え、大学で学ぶ数学の内容に入っていきます。
大学受験向けの学習塾でも、流石にこの進度で数学の授業は行わないでしょうし、ましてや大学で学ぶ範囲の数学の授業は行っていません。
一般的な塾や予備校は、そもそも高専の学習内容に対応していません!
ゆえに、塾に行っても意味がなく、テスト対策にすらなりません。
授業が分からなかったらどうするの?
塾に行っても意味がないのは分かったけど、授業がわからなかった時って、どうすればいいの?
授業についていけない学生に対する対応は、高専によって違います。
パターンとしては、
- できる学生ができない学生を教える勉強会の開催
- 教官たちができない学生たち向けに補講・あるいはマンツーマンに近い形での個別指導
- 専攻科生たちによる勉強会
といったものがあります。
学校側も学生側も、塾に行っても無駄なことはわかっています。その代わり、勉強が分からない学生のために先生が補講を開いたり、学生たち同士で助け合うシステムがあります。
私は、できるやつに聞いて解決することが多かったよ。
わからないことがあれば、研究室に聞きに来てくれると嬉しいんだけどね。学生のつまづきポイントが分かるし、自分の教え方の反省にもなるから……。
ついていけない学生のための学習支援については、下記ページで詳しく解説しています。
なるほどね。高専生は塾に行けなくても、みんなが授業についてこられるように、ちゃんと塾の代わりになるものは用意されているのね。
塾に通う一部の学生たち
高専生は塾に行っても意味はないと言いますが、それでもやはり河合塾といった学習塾に通う学生が一部にはいます。
ただし、夏期休暇といった長期休暇限定で通っている場合がほとんど。塾に通う目的は、学習の理解を深めるものではありません。
長期休暇は寮が閉まってしまうので、寮生は各自自宅に帰ります。
自宅に帰ってしまうと、部活は出来ないし、周囲に友人たちもいません。生活が乱れやすくなります。
生活の乱れを防ぎ、規則正しい生活と学習習慣を維持するために、長期休暇のみ塾の夏期講習に通った。
という話をたまに耳にします。
塾に通うことの学習効果よりも、規則正しい生活を維持するために息子を塾に通わせたんだよね。周りに友人もいなくてゴロゴロしているぐらいだったら、塾に通わせたほうが良いかな、と思って。学習面で身についているかどうかは別の話ね。親も高専の勉強の要領がわからないこともあって、1年生の夏休みのときだけ通わせてみただけだけどね。
家では誘惑が多くてついサボっちゃうから、長期休暇の間だけ塾の自習室を利用させてもらったよ。1年の夏休みだけだけど。
1年生からは夏休みだけ塾に通ったという話をときどき聞きますが、2年生以上で塾に通ったという話は聞いたことがありません(ただし、高専を中退して大学受験に挑む場合を除く)。
2年生にもなると、バイトに行ったりして、自分なりの長期休暇の過ごし方ができるようになるから、長期休暇に塾に行った話は聞いたことない。
オンライン学習塾
全国に2つ、高専生を対象とした塾が存在します。
ナレッジスターと高専テクノゼミです。
高専は全国に散らばっているので通学制の塾を運営するのは難しく、そのためオンライン形式となっています。
私の周囲では利用している人なんて聞いたことないから、良いのか悪いのか評判は正直わからん。
まとめ
高専生が塾に通う必要がないのは、
- 普通高校とは教科書が違い、学習内容が違う
- 同じ教科・科目でも、学習進度が違う
といった2つが主な理由です。
高専生に適した塾がなくとも、授業についていけない学生のために、高専によりさまざまな学習支援策が存在しています。
塾に通っている高専生は、ごく一部の1年生が夏季休暇限定で生活を乱さないために通っているに過ぎません。
コメント
コメント一覧 (2件)
はじめまして。
今年の春から晴れて高専生の保護者になった者です。
いつも高専に関する情報をわかりやすくまとめて情報発信していただきありがとうございます。
受験期には大変お世話になりました。
今回の記事で高専生に塾は不要とのことでしたが、ナレッジスターさんのような高専専門塾でもあまり意味はないのでしょうか?
ナレッジスターさんもYouTubeなどで高専に関する情報の発信をしており、受験前には冬季講習(映像授業)や高専模試で大変お世話になりました。
高専入学後、息子が勉強についていけないようなら入塾も考えているのですが、高専生はあまり塾とかに通わさない方がいいのですかね。。。
本人次第と言われればそれまでなのですが、ぜひご意見・アドバイスを頂けましたら幸いです。
(コロナの影響で例年通りじゃないこともあり、心配しすぎてるのかもしれません)
本当にいつも記事を楽しく読ませていただいております。
これからも高専の情報提供よろしくお願いいたします。
高専専門塾の存在は知っていますが、入っている人は聞いたことないですね。
高専卒業生なら、高専の数学等については対応できるのかもしれませんけど…。
わからない問題は友人どうしで教えあっているようですし、それでもわからない時は先生の研究室に聞きにいって解決するようです。
塾で教えてもらうよりも、友人や先生に教えてもらうほうが、多分効果的です。
私も最初はついていけるかどうか心配でしたが、
授業を聞いて、課題をこなし、先輩から貰った過去問をきちんとやっていれば、十分ついていけます。
(このアタリマエのことができないと、ついていけなくなります)