高専生の長期休暇の過ごし方は、普通の高校生たちとは大きく異なります。
特に遠方の学生の場合、寮で日々を過ごしますが、長期休暇中は寮が閉鎖されるため、寮生たちは実家に帰ります。
実家に帰ったのは良いものの、近所に高専の友人はいませんし、中学時代の友人たちとは時間も話も合わなくなっているのが現状。
保護者うちの子に、長い休みをどう過ごさせようか…。学校も部活もないなんて、生活リズムが乱れないか心配だわ。
そう思われる保護者の方も多いでしょう。
高専生の長期休暇の過ごし方は、個々人の性格にも依りますが、なにより学年によって大きく異なります。
本記事では、高専生の代表的な過ごし方を5つのパターンに分けて解説します。また、親として知っておくべきこと、準備しておくべきことについてもお伝えします。


高専生の長期休暇が普通高校と違う理由


普通高校では、長期休暇中も部活動があったり、課外授業があったりして、何かと学校に通い、友人たちと会う機会があります。
学校で友人たちと会えば、一緒に遊ぶ約束もしやすいでしょう。
しかし高専では事情が異なります。
閉寮により実家に戻る寮生たち
長期休暇中は寮が閉まるため、遠方の学生は実家に帰ります。
実家に帰ったのは良いものの、問題はここからです。
下記3つの理由から、高専生の長期休暇は「有り余る時間をどう過ごすか」が課題になります。
近所に高専の友人がいない
高専は県内を中心に、全国から学生が集まります。そのため、実家の近所に同じ高専の友人がいることは非常に稀です。
家が高専に近い学生も例外ではなく、友人たちがみんな実家に帰ってしまうので、遠方の学生ほどでないにしろ、やはり友人は少なくなります。
気軽に遊びに行ける距離に友人がいないのです。
とはいえ、友人と全く遊ばないというわけではなく、遠くに(神奈川)住む友人と遊ぶ約束をして、中間地点の静岡市で遊んだりすることがあります。



友人と遊ぶ時の行動範囲は、普通高校生とは比べ物にならないほど広いですね。駅までの送迎を頼まれることもありました。
中学時代の友人とは時間も話も合わない
地元には中学時代の友人がいますが、進路が異なると会話が続きません。
- 時間が合わない:普通高校生たちは塾に行ったり部活に行ったりと忙しい
- 話が合わない:学校生活の違いから共通の話題が減る
その結果、自宅に引きこもってしまうことになるため人と関わる機会が極端に減り、孤立しがちです。
部活動は自宅通学の学生のみ
高専も普通高校と同じように、長期休暇中も部活動は行われますが、毎日ではなく不定期です。
寮が閉まっているため、参加できるのは自宅から通える学生だけ。遠方の学生は参加したくても参加できません。
学年別・長期休暇の過ごし方【5つのパターン】


では、実際に高専生たちは長期休暇をどのように過ごしているのでしょうか。
代表的な5つのパターンを、学年別に解説します。
アルバイト【最も多い】
高専生の長期休暇で最も多いのがアルバイトです。
暇つぶしという側面もありますが、それ以上に「生活リズムを維持する」「人と交流する」ことが主な目的です。
時間を強制的に埋められる上に、お金まで稼げるのが、アルバイトの大きなメリットですね。
いつからバイトを始めるのか
多くの学生は1年生の冬休みや春休みからアルバイトを始めます。
1年生の夏休みは初めての長期休暇ということもあり、どう過ごせば良いのかよく分からず、結局何もせずに過ごしてしまう学生が多いです。
しかし、友人もいない、やることもない状態で40日以上を過ごすのは想像以上に苦痛。
「何もしない夏休み地獄」を味わった学生たちは、冬休みや春休みからアルバイトを始めることが多いですね。



私も、1年の冬休みからバイトを始めたよ。
1年生の夏休みは、バイトの探し方も選び方も分からなければ、応募の仕方もよく分からず、無駄にダラダラと過ごしてしまったようです。
基本的に本人任せですが、バイトの行く最初の一歩は、なかなかハードルが高いようです。履歴書の書き方や面接の準備など、親としてサポートしてあげると良いかもしれません。
高専生に人気のアルバイト先はまかない付きの飲食店です。以下のようなメリットがあるからです。
- 昼食の心配をしなくていい(親の負担が減る)
- 人との会話がある
- シフトの融通が利きやすい
特に、まかないで昼食が食べられることは、親にとってもメリットが大きいでしょう。


勉強する【学生の本分】
学生の本分は勉強をすることです。
それほど多くはありませんが、学校から課題が出ていれば、それに取り組みます。
試験勉強
夏休み明けには前期期末試験が控えています。
優秀な学生は夏休み中から試験勉強を始めますが、実際にはほとんどの学生が休み明けから慌てて勉強を始めるのではないでしょうか。
高専の授業は積み重ねが重要です。わからないまま放置すると、後の学年でますます苦しくなります。
沼津高専電気工学科では、夏休みに勉強合宿が行われています。成績上位層は教える側として、成績下位層は教えられる側として参加必須と聞いています。
編入試験対策勉強(4年生)
大学編入を目指す学生は、4年生の夏休みから本格的に受験勉強を始めます。
編入試験は5年生の春から始まるので、5年生になってからでは遅すぎるのです。
塾に通う【1年生限定】
意外に思われるかもしれませんが、1年生の中には長期休暇中に一般の塾に通う学生もいます。
ただし、目的は成績アップではなく「生活リズムの維持」と「学習習慣の継続」です。
- 朝起きる理由ができる
- 規則正しい生活が送れる
- 自習室を使いたいだけの場合も
中学時代から通っていた塾をそのまま継続したり、自習室目当てで新たに入塾したりするケースがあります。
2年生以降で一般の塾に通う例はほぼありません。高専の専門科目を教えられる塾は少なく、また学生自身も塾の必要性を感じなくなるためです。


\どうせ行くなら、一般の塾ではなく高専専門塾/
自動車免許を取得【4年生以降】
18歳以上になると、長期休暇を利用して自動車免許を取得する学生が増えます。
取得可能時期に注意
高専によっては、18歳になっても3年生までは免許取得は禁止しているところもありますので、校則の確認をお願いいたします。
沼津高専の場合、以前は4年生以上でないと取得できませんでしたが、現在は校則が変わり、18歳以上なら3年生でも取得可能になっています。
学校によってルールが異なるため、必ず事前に確認しましょう。
通学 or 合宿免許
免許取得の方法は大きく2つに分かれます。
自宅から教習所に通う
- 時間に融通が利く
- 費用は高め
- 長期休暇中にすべて終わらないことも
合宿免許を利用する
- 短期間(2〜3週間)で取得できる
- 費用は通学より安い
- 友人と一緒に参加することが多い
- 閑散期を狙うとさらに安い
合宿免許は人気が高く、友人と一緒に地方に行って免許を取るケースが多いです。


スポーツをする
長期休暇中、ずっと家にいるのも大変なので、たまには体を動かしたくなるものです
部活動に参加する
高専でも長期休暇中に部活動は行われますが、参加できるのは自宅通学の学生のみです。
- 毎日ではなく不定期の活動
- 合宿がある場合も(女子用の合宿所がないため女子は参加できない)
寮が閉まっているため、遠方の学生が参加するには相当なコストがかかります。
部活動に参加するために、新幹線で通ったり、ウィークリーマンションを借りたという話も聞きます。
本人のやる気と親の経済力次第ですので、遠方でならば無理して参加する必要はありません。
地元のクラブチームに参加する
小中学生時代にスポーツクラブに所属していた学生は、長期休暇中に昔通っていたクラブに顔を出すこともあります。
- 小中学生への指導側になることも
- 高校生年代のクラブ参加は珍しいので喜ばれる
ツテとコネをフル活用して、地元の高校の部活動に参加させてもらう学生もいます。



夏休み中にも大会があるから、大会前に地元の高校の練習にお邪魔させてもらったよ。


進学・就職準備【4年生メイン】
4年生になると、長期休暇の過ごし方が大きく変わります。
企業インターンシップ(4年生夏休み)
4年生の夏休みは、ほぼ全員が企業インターンシップに参加します。
- 就職希望者:全員参加
- 進学希望者:希望者のみ(参加する学生も多い)
インターンシップは、企業の実務を体験できる貴重な機会です。
インターンシップ期間は約2週間と短いですが、インターンシップに参加するための書類作成などの準備に意外と時間がかかり、4年生の夏休みはインターンシップ関連で意外と予定が埋まります。


大学オープンスクール(進学希望者)
大学編入を考えている学生は、4年生の夏休みに大学のオープンスクールに参加します。中には2年生から参加する学生もいます。
- キャンパスの雰囲気を確認できる
- 研究室を見学できる
- 先輩に話を聞ける
進学を考えているなら、実際に大学を訪れて雰囲気を確かめることをおすすめします。
学を研究しておくに越したことはありません。
保護者の本音【親として知っておくべきこと】


長期休暇で子どもが帰ってくることについて、親としての本音も知っておきましょう。
嬉しいけれど、家事が増える
子どもが帰ってくるのは嬉しいものです。久しぶりに家族で過ごせる時間は貴重です。
しかし一方で、親の負担も確実に増えます:
- 食事の準備:3食分の食事を用意する必要がある
- 洗濯物:洗濯の量が増える
- ゴミ:ゴミの量も増える
特に普段は寮生活で家にいない子どもが帰ってくると、生活リズムや家事の量が大きく変わります。
最大の悩み:昼ごはん問題
親にとって最も頭を悩ませるのが「昼ごはんの準備」です。
普段は自分一人の昼食だけで済んでいたのに、子どもの分も用意しなければなりません。
- 毎日何を食べさせるか考える
- 食材の買い出しが増える
アルバイトでまかないが出る場合は、この負担が軽減されるため、親としても助かります。
まとめ:子どもに任せつつ、必要な時にサポート
長期休暇の過ごし方は、基本的に子どもに任せるます。
ただし、以下のような場面では親のサポートが必要になることもあります。
- 初めてのアルバイト応募
- 地元のクラブチームへの参加調整
- 免許取得の費用負担
見守りつつ、必要に応じて時には手を差し伸べ、サポートします。
高専生の長期休暇の過ごし方は、本人の性格や各家庭の事情で異なるのはもちろんですが、学年による違いの方が大きいです。
- 1〜3年生:アルバイト、スポーツ、免許取得など自由に過ごす
- 4年生:インターンシップや進路準備で忙しくなる
- 5年生:編入試験や卒業研究で長期休暇どころではない
最も多いのはアルバイト
暇つぶしではなく、生活リズムの維持と人との交流が主な目的です。
特にまかない付きの飲食店は、親の負担軽減にもつながるため人気があります。
親としては見守りつつ、必要に応じて適切なサポートをしていきましょう。

















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