高専に限らないことですが、入りたくて入った学校のはずなのに、さまざまな理由で残念ながら退学してしまう学生は少なくありません。
悲しいことだけど、学年が上がるにしたがって人数が減っていっていくんだよね。
小中学校とは違い、高専は義務教育ではないので、辞めることは自由です。
退学することは簡単ですが、辞めてしまうともう後戻りはできません。退学の前に、考えて欲しいことがあります。
- 高専を辞めたい理由は何か?
- 中退後の学歴はそのままでは中卒になってしまうこと
辞めることは自由でも、やはり退学しない方が良いに越したことはありません。
退学した場合のリスク、退学した時にどのような道をたどるのか、退学しないですむ方法はないのか、あらゆる可能性を考慮しておきます。
まずは学校に相談してください。
これは、普通高校に進学した場合も同様です。
我が家でも、高専進学を選ぶにあたって、親として退学した場合のリスクをいろいろと考えておきました。
中退後、高認を受けても学歴は中卒。学歴中卒を回避するための方法はこちら
高専を辞めたい理由は何ですか?
高専を辞めたいと思う理由はさまざまだと思います。
- 途中で興味分野が変わった。工学系以外の分野に進みたい。
- 車が好きで、車を作りたくて高専に入ったのだけれど、入ってから自分はど文系だということが分かった。理数系の授業についていけなくて辛い。
- 超不器用で、実習がしんどい。
- 人間関係が……。
- 本当は普通高校に行きたかったけど、親に高専を受けさせられた。
- 高専がどんな学校なのかよくわからないまま、学校の先生に進められるままに受験してしまった。
- そもそも工学に興味がない。なぜ高専に入ったのだろう……。
誰だって辞めたくなる時はあります。
ほとんどの場合、何が嫌なことがあったという時だけの一過性の悩みに過ぎません。
それが一過性ではなくなった時、それは本人にとっても親にとっても深刻な大問題となります。
退学したい理由は逃げなの?攻めなの?
退学して他の道へ。その道は逃げですか、攻めですか?
親としては、子どもの退学理由をしっかりと理解する必要があると考えています。
逃げの退学
逃げの退学であった場合、逃げた先でも同じことになります。
これは、私の大学時代同じクラスだったA君の話です。
彼は、
自分がやりたかった分野はこれじゃない!
といって1年で退学。大学入試をやり直して他学部へ。
そしてその学部でも同様のことを言って退学し、今度は文転して再び大学受験を経て他大学へ。その後は誰もA君のことを知らず。今はどこで何をしているのやら。
結局自分探しばかりをしていて、何も見つからず、フラフラしている印象しかありませんでした。
自分探しは逃げの選択を繰り返します。何もやり遂げずに終わります。
興味分野の芯がハッキリせず、コロコロ変わる人は要注意。
攻めの退学
例えば、車が好きで車を作りたかったけど、自分はど文系で高専の授業にどうしてもついていけなかった場合は違う道を考えます。
車を作りたいのなら、何も工学系にこだわる必要はありません。
デザイナーやマーケッターとして携わることは可能です。メカニックだけで車は作れません。
退学し、高認を受ける、通信制高校で勉強する、予備校に通う、普通高校に入り直す、大学受験をする。
いろいろ方法はあります。
とはいえ、時間的、金銭的に本人と親の負担は大きいことに変わりはありません。道はかなり険しいことを覚悟する必要があります。信念で乗り切るしかありません。
ただし、信念がなく数学などの理系科目が苦手なだけで退学を選んだ場合、逃げの可能性があります。
高専入学前と入学後で芯がブレていなければ、たぶんきっと大丈夫。高専の僅かな期間で学んだことも、決して無駄になることはないでしょう。
でも本当なら、たとえド文系だったとしても、高専で専門を勉強したくて入学してきたのなら、石にかじりついてでも数学や物理を頑張り、留年を多少してでも高専を卒業してやるぐらいの根性が欲しいものです。
工学以外の分野に強い興味を持つようになった場合
高専入学後、工学以外の分野に強い興味を持つようになった場合、高校受験をやり直すという手もあります。
進路の変更は早いほうが良いです。1年遅れることを覚悟して、高校受験をやり直したり、編入することを考えましょう。
また、3年生まで修了して高卒資格を取得できているなら、1年の浪人を覚悟して予備校に通い、大学受験をするという手もあります。
キミ、沼津高専に行っているんだって。僕も沼津高専に行っていたんだよ。卒業はしなかったんだけどね。高専はいい学校だよね。僕は寮長までやったんだけど、卒業しなかったんだ。
深いことはお聞きしませんでしたが、おそらくこの先生の場合、工学以外への道に強い興味を持つようになり、リスク覚悟の上で中退して大学進学したパターンだと思われます。
高専を退学して他の学校へ入り直すことは覚悟のいることです。
覚悟があるのなら,止めはしません。
自分の好きなやりたい道へ進みましょう。
高専を辞めたいと思ったら、まずは学校に相談しよう
どんな理由であれ、一人で悩みを抱え込まず、親や学校にまずは相談してください。
高専には、相談窓口(カウンセラー)が設けられています。
カウンセリングは学生だけでなく、保護者も利用可能です。気になることがあれば早めに相談してください。
まずは相談し、悩みを解決することを考えます。内容によっては、退学することなく解決することもあります。
例えば、
- 学科があっていない
- 寮が合わない
- 不器用すぎて実習がつらい
といったことであれば、解決できる可能性があります。
本当に退学しなければならない問題なのか、学校や親と相談したり先輩や友人と相談したりして、まずは解決の糸口を探ってみてください。
学科があっていない
まだ1年生(高専によっては2年でも可)で学科が合っていないだけというのであれば、転科という方法があります。
希望する学科に転科できるかどうかの条件は、高専によって異なります。転科の条件を知りたい方は、学校にお問い合わせください。
転科について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ
寮が合わない
遠方の学生は寮に入ることになります。寮生活が合っていないと、学校生活はしんどいものになります。
- 退寮して自宅通学に切り替える
- 部屋を借りて一人暮らしをする
通学に時間がかかってしまうのは、本人にも保護者にもつらいものがありますが、退学するよりか何倍もマシです。
寮が合わなくて退寮して、新幹線通学している人いたよ。
家が遠いから、なんとか2年は耐えたけど、3年からは早速部屋借りて一人暮らしにした。
不器用で実習が辛い
最初から器用な人なんていません。
不器用なのは、学校を諦める理由にはなりません。練習すればよいのです。
何度か使っているうちにコツを覚えて、いつのまにか類似装置なら初見でも使いこなせるようになっていたりするものです。
不器用だからといって自己否定せずに、開き直って努力しましょう。
イメージトレーニングをするだけでも効果はあります。
高専中退は中卒になってしまう学歴をなんとかしよう
中卒、高卒、高専卒、大卒、院卒、……社会に出たときの職業の選択の幅、周囲からの印象は全く違うものになります。
高専3年生を修了してから退学した場合、高卒認定に必要な単位を取得できていれば高卒扱いにしてくれる企業も中にはいます。大学受験にも挑戦できます。
就職する場合、理解のある企業では高卒扱いしてくれますが、そうでなければ中卒となってしまうことを覚悟してください。
基本的に、大学や(一部を除く)専門学校に進学しない限り、中退は中卒と扱いとなります。
高専は大学の一般入試に必要な科目の勉強はしていないので、予備校に通うなどして受験対策する必要があります。
3年生修了前に退学してしまうと、本当に中卒扱いになります。退学後、通信制高校に通うなどして必要単位を取得できれば高卒になります。
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独学で勉強して高卒認定資格を取得することもできますが、高卒認定資格だけでは中卒扱いされることが多く、この場合はなんとしても大学や専門学校などに進学しなければなりません。
中退はできる限り避けたいものです。高専が自分に合っているかどうか,よく考えてから進路選択してください。
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