高専の単位の話―仕組みを知って落とさないようにしよう

高専は高校や大学と同じで単位制度です。

進級や卒業に必要な単位数を取得できないと、留年します。

中学生

単位を落とすとよくないっていうのはよく聞くけど、単位ってどんなものなのかよくわかりません。

小学校や中学校に単位はないので、わからないのは当然です。

高専の単位のしくみは、やはり大学と似ているようなところがあります。

  • 必須科目と選択科目について
  • 累積単位数について
  • 単位取得について
    • 外部単位とはなにか

これらを見ただけでは何のことだかやはりわからないと思いますので、それぞれについて解説していきます。

目次

必須科目と選択科目について

科目には必須科目と選択科目の区別があり、それぞれ必要な単位数が異なります。

必須科目の単位

必須科目の単位とは、

  • 卒業までに必ず取得
  • 総授業数時間数の2/3以上出席する必要がある

といった単位です。

必須科目の中には、当該学年で取得していなければ進級できない科目もあります

先生

たとえ他の科目の単位をすべて取得していても、その学年で取得しなければならない必須科目を一つでも落とすと、留年になります。

その学年で取得必須な科目の例として、

  • 保健体育(I・II・III)
  • 物理実験
  • 各学科に必須の実験実習

などがあります。

ほとんどの科目が、必須科目です。

選択科目の単位

選択科目は、すべてを取得する必要はありませんが、卒業に必要な単位は必ず取得しなければなりません。

先生

卒業に必要な単位数に対し、開講単位数にそれほど余裕はないので、選択とはいえ、取りこぼさないようにしましょう。

選択科目の中には、必ず受講しなければならない科目がありますが、多くはいくつかの中からどれかを選ぶ形になります。

例えば、

  • 美術と音楽のどちらか一つ
  • 法学と経済学のどちらか一つ

といったものになります。

専門科目は、複数ある科目の中から6単位以上を選んで取得というようなものもあります。

選択科目は、学年が上がるにしたがい増えます。1年のうちはほぼ必須科目ですが、上級学年になると選択科目の割合が増えます。

累積単位数について

各学年ごとに、進級に必要な単位数が定められています。

取得した単位数がその数字に達していないと、留年します。

  • 1学年:29
  • 2学年:61
  • 3学年:97
  • 4学年:132
  • 5学年:167(一般科目:75、専門科目:82)

進級に必要な単位数に対し、各学年での開講単位数にそれほど余裕があるわけではありません。

単位を取りこぼしてしまうと、たとえ進級が出来たとしても取りこぼした単位を取得するために他の科目の授業に出られなってしまいます。

留年しないためには、単位の取りこぼしをしないことが重要。

それらの取りこぼし単位が積もり積もって、留年に繋がります。

単位取得について

単位取得には条件があります。

  • 出席数が4/5以上(ただし、教務主事が特別な場合と認定した場合は2/3以上)
  • 学年成績が60点以上

出席数が4/5以上

授業時間数は、通年の科目で30回/年であり、半期の科目は15回/半期。つまり、通年の科目は6回/年、半期の科目は3回/半期休むとアウト。

何らかの病気に羅患し、あるいは怪我をし、通院しなければならなくなった場合、同じ曜日の同じ時間に通院することにならないように気をつけなければなりません。

先生

通院が理由で単位を落としそうになる学生は割といます。

サボって授業に出席しないのはもちろんダメです。

寮生活の場合は誰かが起こしてくれますが、寮を出て一人暮らしを始めると朝起こしてくれる人がいなくなり、結果として1コマ目の授業を落としやすくなることもあります。

15分以内の遅刻3回で1時間の欠席扱いです。

よくあるパターンは、ゲームに夢中になったり、夜更かしをして寝坊して授業に出られなくなったりして、出席時間数が足りずに単位を落としてしまうというものです。

忌引やインフルエンザといった感染症による出席停止、部活動の大会参加などで授業を休まなければならない場合は公休制度があります。ただし申請が必要です。

学年成績が60点以上

成績評価は、シラバスに記載されている方法で行われます。

100点満点で、60点未満がD(不可)となります。

保護者

テストの点数が60点未満で落単なんて、厳しくないですか?

先生

成績評価はテストの点数だけで決まるものではありません。出席日数、課題提出状況などを含めた総合評価です。

テストの点数が多少悪くても、きちんと授業に出席し、提出物等をしっかりこなしていれば、本来ならそれほど心配するものではありません。

再評価について

D判定となった科目は、学年末試験1習慣前に申請することにより、再評価を受けることができます。

再評価を受けた科目はC判定になります。

外部単位とはなにか

外部単位は、正式には「技能審査による単位認定」です。

高専で取得する授業による単位ではなく、検定試験や資格取得試験の結果に応じて与えられる単位のことです。

一般科目の外部単位

一般科目の外部単位は語学試験で、

  • 実用英語技能検定
  • TOEIC
  • TOEFL
  • ドイツ語検定

があります。

点数や級数に応じて、1~7単位を取得できます。

専門科目の外部単位

専門科目の外部単位として、

  • 工業英語能力検定
  • ディジタル技能検定
  • 機械設計技術者試験
  • CAD利用技術者
  • 電気主任技術者
  • 基本情報技術者
  • 応用情報技術者
  • 知的財産管理技能検定
  • 危険物取扱者

1~4単位を取得できます。

とある高専生の母

持っていたら就職の時に有利になりそうな資格。単位目的でなくても、取って損はないものばかり。

最後に

ありきたりのことかもしれませんが、単位を取得するためには、

授業にちゃんと出席して、先生の話をよく聞いて、課題をちゃんと提出して、テスト前にはちゃんと過去問を勉強していれば、単位を落とすようなことはまずない

これは高専の先生に限らず大学の先生もよく言っていることです。

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この記事を書いた人

沼津高専機械工学科を卒業し、現在豊橋技科大4年生の娘をもつ母です。
娘は2年時:階長、卓球部部長→3年時:棟風紀、学習支援部長、卓球部部長、美化副委員長→4年時:寮生会長、美化委員長
私は教育後援会教育部会副部会長(2年時)→浜松支部副支部長(3年時)→浜松支部支部長(4・5年時)
と歴任しました

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