高専生の就職活動って、どんな感じなの?親としてなにかすることはあるのかしら?
保護者として、子どもの就職活動は何らかの手助けはしたいもの。
保護者の方には、社会人の先輩としてのアドバイスをお願い致します。
子どもにアドバイスをするために、せめて高専の就職活動の流れは知っておくべきでしょう。
- 3年生と4年生を対象に行われる合同企業説明会に参加する
- インターンシップ活動に参加する(4年生の夏休み)
- 志望する就職先企業を決める(4年生の春休み)
- 就職試験を受ける(5年生の夏休みが終わるまでには内々定)
高専生は大学生の就職活動とも、高校生の就職活動ともまた違います。
詳しくは、保護者懇談会や学科説明会で先生から説明があります。できる限り参加しましょう。
高専生対象の合同企業説明会
高専生を採用したい企業による高専生を対象とした企業説明会があります。大学生向けの合同企業説明会のようなものです。
4年生の春休みに、高専生を対象とした合同企業説明会が各地で開催されますので、就職希望者は全員参加します。進学希望者も参加できます。
機械系女子は珍しいこともあって、企業のおじさんたちにめっちゃ声をかけられた。
学生たちはいろいろな企業を回ったり、説明を受けます。
3年生のうちはまだピンとこないかもしれませんが、自分がやりたい仕事は何かを考えながら、学生たちは企業の説明を受けることになります。
4年生の冬休みや春休みに、説明を受けた企業のパンフレットをたくさん持って帰ってきました。
いろいろ聞いて回ったけど、いまいちよくわからんかった。
馴染みの薄いB to B企業
工業系は、一般消費者にとって馴染みの薄いB to B企業が多いです。たとえ一流企業であっても、一般的には知られていない企業ばかり。
保護者がBtoB企業に務めている方ならよく分かっているので問題はあまりないのですが、一部上場の優良企業なのに一般には無名の会社だということで保護者が反対してしまうことがよくあるそうです。
そうならないためにも、保護者も企業を勉強し、また、学生も親を説得するために理解しておく必要があります。
工業系に務める親ならB to B企業のことはそれなりに詳しいと思いますので、フォローすると良いかもしれません。
あぁ、この会社ならこういうものを作っていて、その分野ではトップクラスのところだよ。作っているものがものだから、知らなくても仕方ないよね。
インターンシップ活動
4年生の夏休み、希望者はインターンシップに参加します。インターンシップは単位認定されますので、多くの学生が参加します。
私の時はコロナでなくなっちゃったけどね。行きたかったな。
インターンシップは企業の選考活動の一つとして認められていますので、インターンシップ先企業は真剣に選び、活動中はいつも見られていることを念頭において行動しましょう。
インターンシップ先に就職する学生の割合は、学科や年度にもよりますが、インターンシップに参加した就職希望者の約7割がインターンシップ先企業に就職していきます。
就職試験
高専生の就職方法は、基本的に学校や学科に届いた求人の中から選びます。どの企業に応募するか、まずは企業研究をしっかり行っておきましょう
求人に応募する方法には以下の2種類があります。
- 学校推薦による就職
- 自由応募枠による就職
学校推薦は、就職試験の一部が免除されることがあります。
学校推薦の場合は面接1~2回、自由応募の場合は3回ぐらい面接があります。
学校や学科に届けられる求人票は工学分野です。めったにいないですが、
自分は工学分野には向いていない。工学以外の企業に就職したい。
という学生には、ハローワークを介して就職活動をします。
企業研究はしっかりと
学校推薦だろうが自由応募だろうが、企業研究はしっかり行っておきましょう。ミスマッチの原因になります。
- 会社が高専生に対し求める職種と、自分が就きたい職種があっているか
- 勤務地は?地元に残ることにこだわるか、どこまで転勤O.K.なのか
- 給与、賞与、昇給・昇格(高専卒の昇給テーブルは?)
- 福利厚生、各種手当(資格手当、住宅手当等)
- 会社の方針
すべての希望を満たす企業なんてありませんが、何を優先したいのか、自分のこだわりを考えておきます。
その企業の業務内容と自分のやりたいことが合致しており、面接でそれに対する熱意や愛がいい意味でうまく伝えられると、たとえ学校での成績が悪くても受かります。
鉄ちゃんがJRへ、飛行機オタクがANAへ、宇宙好きがJAXAへと、愛をうまくアピールして就職していくのはよくある話。
学校推薦による就職
4年時までに必要とされる単位を取得しておかないと、学校推薦は受けられません。
就職希望の学生のほとんどは、学校推薦により就職していきます。
ほとんどの学生が1社目で内定をいただいています
原則として推薦を受けられるのは、1社に対し1人/学科。
同じ会社に就職したいと考える学生が同じ学科内に複数いた場合、希望する学生の中で1番成績優秀な学生がその会社に対し学校推薦を受けられることになります。
ただし、学科が異なっていれば問題ありません。
第1志望の会社の就職面接を受けるための学校推薦を受けられなかった学生は、第2志望、第3志望の会社への学校推薦を受けるか、推薦ではなく一般枠で就職試験に望むことになります。
学校推薦で内定をいただいた場合、内定辞退はできません。内定辞退してしまうと、その企業からは二度と高専に求人が来なくなります。内定辞退するような会社は受けないでください。
自由応募枠による就職
自由応募枠で就職する学生はあまりいません。
ですが、高専生を積極採用したい企業の採用担当者からしたら、
本当はもっと高専生が欲しいんだけどね。推薦枠だと1人/1社/学科だから、なかなか来てもらえないわけ。だから、学校推薦とは別に自由応募枠を設けているんだけど、みんな学校推薦で決まっていくし、なかなか来てくれないんだよね。かなり遠方の高専にまで求人票を出しているんだけど、難しいね。
ということがありますので、学校推薦を受けられてくても、希望する企業が自由応募枠を設けているのなら、チャレンジする価値はあります。
高専生の就職活動まとめ
- 業界、業種、職種を決めておく
- 企業研究をしっかり行い、インターンシップ先も慎重に選ぶ
- 求人票の中から企業を選ぶ
- 就職試験を受ける(7月末までにはほぼ全員内々定)
大学生の就職活動に比べたら、名だたる企業にわずか数回の面接で決まっていく高専生。
昨今の大学生の就職活動に比べたら、高専生の就職活動は楽ですね。
楽とは言え、落とされる学生はもちろんいます。
誤字脱字があったり、面接で緊張しすぎてうまく答えられなかったり。
落ちてしまったら、「縁がなかった」と思い、クヨクヨせずに次の会社を受けましょう。
高専生なら1社目で落ちても、2社目、3社目でほぼ全員の内定が決まるのだから。
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