高専専攻科から大学院への進学

高専卒業後、大学3年生に編入するのではなく、高専専攻科に進学する選択肢もあります。

保護者

高専専攻科卒業後、大学院へ進学できるの?

専攻科卒業後、一般の大学卒業者と同じように就職活動を通して就職する場合もあれば、大学院へ進学する場合もあります。

先生

もちろん、専攻科卒業後は、一般の大学生と同じように大学院へ進学できますよ。

大学院進学は大学編入とはまた違った選択肢があります。これは大学から大学院に進学する場合も同様です。

目次

大学院大学への進学

大学院大学とは、かつて学部に重点が置かれていたものを大学院に重点を置き、研究環境を改善しようとして誕生したもので、学部ではなく研究科に重きを置かれた大学のことを言います。

大学院での教育を重点化した大学の大学は、大学院大学となります。

保護者

大学院大学には、どんな大学があるの?

大学院重点化した大学には、旧帝大や東工大、筑波大、一橋大、東京農工大、東京医科歯科大学、金沢大、岡山大、広島大などがあります。

また、大学院のみで学部を持たない大学院も大学院大学と呼ばれ、国立では奈良先端科学技術大学院大学、北陸先端科学技術大学院大学などがあり、私立では光産業創成大学院大学などがあります。

ここに挙げた大学以外にも大学院大学がありますので、それは各自調べてください。

大学院は学部へ編入する場合よりも専門を変えやすく、専門が気に入らない人は思い切って変えてみても良いかもしれません。

専門を変えるとそれなりに苦労するデメリットはあるけど、専門知識の幅が広がるメリットがあります。

社会に出た時についてまわるのは、基本的に最後に学んだ専門分野です。

高専男子

機械を選考していたけど電気に興味を持った場合、電気工学専攻科へ進学しても問題ないんだね。

私が見た実例
  • 工学研究科博士前期課程→医学研究科博士後期課程
  • 教育学部卒(文系)→理学研究科修士課程
  • 農学部卒→情報学研究科博士課程
  • 理学部卒→情報学研究科博士前期課程→医学研究科博士後期課程
とある高専生の母

そういう私も、「理学部」→「情報学研究科博士前期課程」の学術修士です。

修士課程と博士前期課程

大学院大学では、2年の修士課程ではなく、博士前期課程(2年)・後期(3年)と表記されます。

博士課程全体としては5年の課程になりますが、博士前期課程を修了する段階で修論をまとめ、認められれば修士号を取得できます。

多くの学生は、博士前期課程を修了した修士の段階で就職していきます。

博士課程前期・後期

博士前期課程で就職するつもりの学生には、2年間で終わるようなテーマが与えられますが、博士後期課程まで進学して研究する意思のある学生には、5年間を通して研究するようなテーマが与えられ、取り組むことになります。

研究テーマについて

修士の場合、大学院からの場合は2年間でできるテーマですが、学部からの内部進学である場合は3年間かけて研究するようなテーマが与えられます。

同様に博士号を取る場合も、学部からの学生は6年かけて研究するようなテーマが与えられ、卒論や修論は中間発表という形になります。

  • 腰を据えて長い目で1つのテーマに取り組みたい方は、所属する大学や研究室を変えず、1つのところで研究
  • いろいろな先生のもとでいろいろな知識や技術を学びたいのなら、大学や研究室を変える

学部を持たない大学院大学

学部を持たない大学院大学に進学した場合、学部からの内部進学生が皆無のため、すでにあるコミュニティーに参加するときの苦労はありません

いろいろな人が大学院に来ます。

大学生

大学院大学に見学に行った時、普通の大学とは全然雰囲気が違うから驚いたよ。おっさんばっか!でも研究に集中できそうな環境が整ってて、「良いな」って感じた。

企業が優秀な人材に博士号を取らせようと、大学院大学に送り込むことがあります。

社会人学生がいる環境は、いろいろと勉強になることが多いと思います。

学部を持たない大学院大学の存在を知っている人は少ないので、大学院名を言っても「どこそれ?」という顔をされることがあるかもしれません。

知名度の低さが欠点。

大学院入試

大学院入試は、一般入試を受けて大学に進学するよりも簡単だと言われます。

事実です!

しかし大学院にも定員がありますし、研究室にも定員があります。

所属したい研究室の教授が院生を採りたいかどうかで、決まる側面があります。

しかし研究するために学力は必要なので、試験で及第点以上の点数を取らないと研究室の定員が足りなくても合格はしませんので、受験勉強は必須です。

学部からの内部進学は問題ありませんが、外部から大学院に入学したいと思ったのなら、試験を受ける数ヶ月前に研究室訪問をして教授とお話をしておくことは必須です。

研究室を訪問することで、教授から試験に関する情報をもらうことができます。

内部進学が有利なので、外部から進学する場合は注意が必要です。

私の時は、行きたい研究室の先生に手紙(出す前に教授に添削してもらいます)を書き、アポを取って面談に行きました。

試験前にも関わらず、お土産に先生が書いた論文をたくさんもらいました(これらの論文を入学までに読んでおけと…)。

今の時代なら、手紙ではなく電子メールでのやり取りになるとは思いますが、研究室訪問は今でもマストだと思っています。

有名大学へも行きやすい大学院

有名大学の学歴が欲しいだけなら、その大学の人気のない研究室を調べてそこを受ける方法もあります。

大学時代の同級生

どうしても○○大学に行きたくて、そこの専攻で人気のない研究室を調べて受験したら受かったよ。

大学時代の同級生に、実際にこういうのがいます。

とある高専生の母

私もロンダ組なので、あまり人のことは言えないんですけどね……。

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この記事を書いた人

沼津高専機械工学科を卒業し、現在豊橋技科大4年生の娘をもつ母です。
娘は2年時:階長、卓球部部長→3年時:棟風紀、学習支援部長、卓球部部長、美化副委員長→4年時:寮生会長、美化委員長
私は教育後援会教育部会副部会長(2年時)→浜松支部副支部長(3年時)→浜松支部支部長(4・5年時)
と歴任しました

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