高専卒業後は進学を希望する場合、大学の工学部に編入するか、あるいは高専の専攻科に入学するという道があります。(大学受験をして他学部へ行ったり、専門学校へ行ったりする道もありますが、ここでは省きます)
大学の工学部へ編入した場合と、専攻科へ進学した場合では、何が違うのでしょうか。
それぞれのメリット・デメリットを挙げてみました。進路選択の参考にしてください。
専攻科への進学
高専本科を卒業した後、試験を受けて専攻科へ進学することができます。専攻科のコースは本科に比べてやや学際的なものになっています。
専攻科の授業
専攻科の授業は選択科目が多くなります。授業の様子はその講義を選択した学生がどのくらいいるかによって決まります。
専攻科に在籍する学生は本科よりも当然少なくなります。
ある講義を選択した学生は数人しか居ないということは普通の風景です。数人しか居ない授業で寝ることができるのは、猛者ぐらいなものでしょう。
数人で受ける講義……、大学院の講義のイメージに近いです。
学費
本科と同じ高専の専攻科に進学した場合、入学金を別途支払う必要はありません。
授業料は高専本科と同じですので、大学と比較してかなりお安くなっており、非常に経済的な進学先となっています。
学費の安さは、親としては嬉しいですね。
研究の連続性
本科5年生で卒業研究を行います。
専攻科に進学した場合、5年生で行った研究を継続して行うことが出来ます。
大学院への進学
本科と専攻科で研究を継続して行うことが出来ますし、大学院へ進学する場合も途切れることなく研究活動を続けることができます。
学部への編入とは異なり、大学院は配属先の研究室を決めて受験します。
学部編入では2年生からの東大・京大でも、大学院からであれば学年が遅れることなく進学することができます。
就職状況
本科同様に、専攻科生の就職率も100%です。
就職活動の仕方は、大学生と同じです。
大卒扱いになりますので、就職先の選択肢が広がります。
大学への進学
大学の授業
専門科目はすでに高専で学習したことの復習になることが多いようです。
高専からの編入生は、本来ならば大学の教養課程で取得しなければならない単位を取得していないため、大学入試組に比べて3年で取得しなければならない単位が多くなります。
専門科目は復習とはいえ、実験やレポートはもちろんあります。
そのため高専からの編入組の大学3年生はかなりハードらしく、留年する人もそれなりにいるとかいないとか…。
大学で留年したいために、進級に必要な単位数とシラバスをしっかりチェックして、くれぐれも受講漏れが無いように気をつけましょう。
学費
国立大学の入学金を納め、授業料を納めます。
学費は、トータルで考えると大学受験組に比べて高専との授業料の差額分だけ安くなります。
研究の連続性
5年生で行っていた研究活動は、完全に途切れることになります。
大学3年生は実験・実習は行いますが、テーマに沿って研究を行うことはありません。研究活動は4年生になって研究室に配属されてからになります。
研究活動は、一旦お預けです。
大学院への進学
大学へ編入する場合、大学の専門課程で学習する内容は高専と大差ないため、殆どの学生は大学院へ進学することになります。
大卒という資格を取得できるだけで、身につけた知識や技術は学部卒と高専卒では大差なく、編入した意味をあまり感じないというのが大きな理由です。
おそらく、編入した大学の大学院にそのまま進学するパターンが多いのではないでしょうか。
大学4年生の卒研テーマをそのまま大学院でさらに深く研究することになると思います。
就職状況
普通の工学系大学生と同じです。
学校に求人票が来ていた高専とは異なり、普通の大学生と同じように就職活動を行います。
就職活動の大変さは……、大学名と本人の努力と……、景気状況によります。
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