高専がどのような学校か良くわかっていない人から、
高等専門学校って、どんな専門学校なの?
なんて、よく聞かれます。
はじめに言っておきます。
高等専門学校は「専門学校」という名前がついていますが、
高専は専門学校ではありません。
大学や短大と同じ「高等教育機関」です。
最近はだいぶ名が通るようになってきたとはいえ、高専はマイナーな学校です。
工業系の人であれば誰もが知っているような学校ですが、知らない人も多く、「高等専門学校」と「高等専修学校」、「専門学校」の違いがわからない人もいることは事実です。
中学卒業後に入学できるとはいえ、高専は決して、高等学校と専門学校の間の学校でもありません。
ということで、
本記事では、高等専門学校と専修学校の違いについて、簡単に述べてみたいと思います。
高等専門学校とは
専門学校とつきますが、専門学校のような学校ではなく、法人形態は大学に近い学校です。
修業年限は5年から5年6ヶ月(商船系)。高校に相当する後期中等教育過程を含める高等教育機関です。
高専は大学と同じ高等教育機関で、英語ではInstitute of Technology, ○○ Collegeとなっていることからも、学位を与える学校であることが分かります。
高専を卒業すると短大卒と同等の「準学士」となり、学歴として履歴書に記載できます。
ただし、準学士は日本独自の制度なので、日本でしか通用しない学歴です(海外で働こうとしたとき、学士以上でないとビザが取りにくい現実があります)。
先生はかつて「教官」と呼ばれていました。現在は制度が変わったため「教員」になりますが、昔の名残で教官と呼ばれることもあります。
ちなみに、高校の先生は「教諭」または「教師」です。
先生は高校とは違って教員免許を持っている人がなるのではなく、多くは博士号を持っている人がなり、大学と同じように教授、准教授、助教が置かれることが決められています。
国立高専と国立大学の間で人事異勤が行われることもあり、大学の先生が高専に赴任してきたり、そのまた逆もあります。現に、沼津高専の現校長は東工大からの異勤です。
そして教えを請う方は高校とは違い、生徒ではなく「学生」と言います。
どうでもいいことですけど、『呪術廻戦』で五条悟が「生徒の前なんでね、カッコつけさせてもらうよ」とか、「教師なんて柄じゃない」と言っているシーンがありますが、どうしても気になります。違和感しかありません。
漫画の世界とは言え高専なんだから、ここはやはり「学生」や「教員」って、言ってほしい。
毎回心のなかで突っ込んでいます。
高専のことを勘違いされそうで毎回突っ込んでいますが、大ファンです。
高専は受験がありますし、定員もあり倍率もあります。
基本的に、レベルが高いです。
高専とはどんな学校なのか、詳しくは下記記事で解説しています。
専修学校とは
高等専修学校とは専修学校の一形態で、専門学校も専修学校の一形態です。高等専修学校の多くは3年の課程になります。
高等専修学校を時々「高専」と略しているのを見かけることがありますが、「高専」と略して良いのは本来高等専門学校だけなので、高等専修学校は略して表示しないでください。
紛らわしくて、混乱する人多数。
中学卒業者を対象に、職業に直結する知識と技術を学べますが、大学入学資格付与指定校以外は、高等専修学校を卒業しても高卒資格を得ることができません。
入学資格の違いによって、専門課程、高等課程、一般課程の3つに分かれ、高等課程を学べる学校を高等専修学校といいます。
高卒者対象に入学できる専門課程を専門学校、学歴を問わず中卒以上なら誰でもに入学できる一般課程は専修学校です。
課程 | 対象 | 名称 |
---|---|---|
高等課程 | 中卒者 | 〇〇高等専修学校、〇〇専門学校高等課程 |
専門課程 | 高卒者 | 〇〇専門学校、〇〇専修学校専門課程 |
一般課程 | 学歴・年齢不問 | 〇〇専修学校(専門学校) |
文部科学省では、専修学校を8つの分野に分類してます。
- 工業
- 農業
- 医療
- 衛生(調理師、理容、美容など)
- 教育・社会福祉
- 商業実務
- 服飾・家政
- 文化・教義
専修学校は、基本的に誰でも入れますし、入試の倍率はありません。
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