高専に進学してきた学生たちは、第一志望を高専にして入学してきたのはもちろんですが、第2志望に公立高校の理数科を選んでいることが多いです。
高専に進学して工学について専門的に学びたいという気持ちがある一方で、普通高校の生活をエンジョイしてみたい気持ちもあるんだよね。
高専には高専の良いところ、普通高校には普通校の良いところがそれぞれあります。
もちろんどちらにもデメリットもありますが、メリットとデメリットは表裏一体。
どちらに進学するか、それぞれの学校のカリキュラムはもちろんですが、学校を卒業した後のことまでを考えた上で、自分にあった方を選んでください。
本記事では、教育面、学校生活、卒業後の進路の観点から、それぞれのメリット・デメリットについて紹介します。
比較して考えた上で、私は高専を選んだよ。
教育カリキュラムの比較
教育カリキュラムや学ぶ内容を比較すると、以下の通りになります。
高専の教育のメリット・デメリット
高専は専門分野について深く学ぶことができ、実験や実習も多く組み込まれていますので、すぐに実践的なスキルを身に着けたい人にはおすすめできる学校です。
その代わり、国語や社会といった文系科目の授業時間数は普通高校に比べてひじょうに少ないので、文系科目も学びたい人にとっては物足りない感じがします。
文系科目嫌いだから、問題なし!
文系科目なんて、興味を持った時に本で勉強すればいいさ。自分の好きな専門をより深く、少しでも早く学びたかったから、高専を選んだ。
公立高校理数科の教育のメリット・デメリット
一方で公立高校は、理数科でも文系科目もしっかり学ぶカリキュラムになっています。学習する理数科目も高校で学ぶ範囲内ですが、基礎知識をしっかりと学ぶことが出来ます。
地元の高校の理数科に工場見学といったカリキュラムがあったから、娘の第二志望に理数科を勧めました。
同じ理数科でも、学校によってカリキュラムは異なります。学校案内パンフレットや口コミなどで、教育内容を調べてみると良いでしょう。
学校生活の比較
高専の部活動は、一般的な普通高校と大して変わりません。
高専の学校生活のメリット・デメリット
高専は、基本的に1学科1クラスなので、同じ仲間たちと5年間同じクラスで過ごします。ただし、留年があるため上から落ちてくる学生や下に落ちていく学生がいますが、基本的にメンバーは変わりません。
クラスメートに恵まれれば、楽しい5年間になります。
一部の高専では、入学時に学科を決めずに一括募集し、進級時に振り分けを行うところがあります。その場合は、クラスのメンバーが変わります。
女子が2割しかおらず、また、部活動参加も強制ではないため、女子部員が少なく団体戦が組めなくて大会参加を見合わせることがあります。
1~5年生が参加できる高専大会は団体戦組めたけど、1~3年生しか参加できない高体連の大会は、人数足りなくて参加できんかった。悲しい。
高専の部活動といえば、やはりロボコン!
公立高校理数科の学校生活のメリット・デメリット
理数科の募集は1クラスか2クラスです。1クラスであった場合は、3年間同じ仲間と過ごします。2クラスであれば、クラス替えがあるかもしれません。
当然のことながら、理数科は普通科クラスに比べて女子率が低いです。しかし普通科が併設されているのが一般的なので、学校全体ではそれほど女子率は低くないでしょう。
部活動でも、女子だって普通に団体戦が組めて、大会に参加できます。
卒業後の進路の比較
高専卒業後の進路
高専により年度により就職にするか進学にするか、その割合は大きく異なります。
2/3以上の学生が進学するような高専もあれば、大学に進学する学生は数名というところまで差が激しいです。
就職の場合
就職氷河期のときでさえ、高専には多くの企業から求人票が送られてきました。学生一人あたり15社以上。
今は一人あたり30社以上の求人が届いているのだとか。
高専から企業への就職は学校推薦を利用する場合は「1人/学科」と決まっており、その企業への希望者が複数名いた場合、当然のことながら成績上位者が推薦を受けることが出来ます。
成績が悪くて第一志望の推薦は受けられなかったけど、第二志望に内定したから良かった。
進学の場合
大学工学部への進学を希望している場合、国立大学3年生への編入学は容易です。
一般的な大学受験ではなく、編入試験を受けます。高専生対象の推薦枠がある大学もありますし、一般編入試験もあります。
推薦で入学しやすいと言っても、高専で良い成績を取っている必要があるけどね。学業以外にも寮活と部活を頑張ったから推薦で入れた。
技科大は企業からの評価が高く、「隠れた名門校」とも言われることがあります。
技術科学大学以外にももちろん進学は可能で、東大や京大をはじめとする旧帝大、東工大といった難関国公立大学の工学部へ進学可能です。
難関大へ進学する学生は、トップクラスの成績をとっていますね
普通高校理数科卒業後
普通高校理数科は、一般的に偏差値が高いことが多く、生徒の大部分は就職することなく大学進学を目指します。
大学進学はもちろん、大学受験を経て1年生から入学します。
選択できる学部は幅広く、医学部、薬学部、工学部、理学部、農学部と、選択肢は多くあります。
理系大学に進学したいのだけれども、自分の専門分野、進学すべき学部が決まっていないのなら、普通高校に進学してください。
高専か普通高校理数科か迷っている君へ
高専にも普通高校理数科にも、それぞれ良い面悪い面があります。
はっきりと目標があれば悩まないのですが、はっきりとした目標なんてまだないのが普通の中学生。迷いがあるなら、普通高校をお勧めします。
大学受験のための勉強をする必要がないので、自分の好きなことを思いっきりできます。自分の好きなことに夢中になりすぎて、「頭がおかしい(褒め言葉)」と言われるほどなのが高専生です。
受験のことを考える必要がないから、やりたいことをいろいろやりきった。
高専祭では、高専だからこそ自分の趣味を貫いて、キラキラ輝いている学生に出会えます。
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