中学3年生にもなると、最終的に進路を決めなければなりません。
志望する学校が本当にあっているのかどうか、特に高専への進学は、お子さんだけでなく保護者の方も一緒に真剣に考える必要があります。
なぜなら、
- うちの子は高専に向いているのだろうか?
- なんとなく高専を選んで、後悔しないだろうか?
そんな不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。
高専の教職員や保護者、そして現役学生の誰もが口にするのは、
- 少しでも迷いがあるのなら、普通高校を
- 一切の迷いがないのであれば、高専
- なんとなく高専を選んでしまったというのが、一番良くない
という言葉です。
安易な気持ちで高専を選ぶことは、決しておすすめできません。
本記事では、高専への進学が向いているタイプと、残念ながら向いていないタイプを具体的に解説します。

我が家は娘の適性を考えながら、親子で一緒に考え、しっかり話し合いをしました。
本記事が、子どもが高専で成長できるタイプなのかどうか判断する助けになっていれば、幸いです。


高専進学が「天国」になる!向いている子の特徴


高専は、将来エンジニアとして活躍したいという強い意志を持つ子どもにとっては、最高の学び舎です。
- エンジニアになるための知識と技術をいち早く習得したい
- 好きなことに夢中になれる時間と環境を求めている
- 自分の頭で考えて行動できる
上記のような学習意欲と環境を求める子に、高専はおすすめの学校です。
エンジニアになるための知識と技術をいち早く習得したい
高専では、大学受験のための勉強に時間を割く必要がなく、科学技術に必須の数学や理科、そして専門分野の基礎を1年生から学び始めます。
高学年になるにつれて専門科目の比重が増し、大学生レベルの専門知識と技術を早い段階で身につけられることも最大の利点。
実験や実習の時間が多く確保されているため、座学だけでなく実践的なスキルも習得できます。
好きなことのために必要な勉強は、たとえ難しくても楽しんで取り組めるものです。



高専の数学難しい
と文句を言いながらも、どこか楽しそうに勉強しているのが、高専が「天国」になっている学生です。
好きなことに夢中になれる時間と環境を求めている
大学受験に縛られない高専の5年間は、お子さん自身の「やりたいこと」に心ゆくまで没頭できる貴重な時間です。
高専の5年間に、以下のようなことを存分に楽しんでいます。
- 海外留学
- ものづくりに没頭
- 高専祭で自分のハンドメイド作品を販売
高専には「頭がおかしい」と言われるほどの熱量で、自分の好きなことを追求できる環境があります。
中学時代に趣味を隠していた子も、高専ではオープンにできます。
オタク文化への理解も高く、同じ興味を持つ仲間たちと出会い、かけがえのない5年間を過ごせるでしょう。



できればあの時代に戻りたい。仲間たちといろいろなことにチャレンジして、ものすごく楽しい時間を過ごしてたから。
「頭がオカシイ」は褒め言葉。5年間を活用して、やりたいことを思う存分楽しめるのが高専の良いところ。


自分の頭で考えて行動できる
高専の学びは、自分で考えて試行錯誤する力が求められます。
中学校のように「先生が全部教えてくれる」わけではありません。受け身の姿勢では、授業についていけなくなることも。
- 自分なりの勉強法を見つける
- 興味を持って調べる
上記のことが自然にできるタイプの子は、ぐんぐん伸びていきます。
ちなみに我が娘は……、高専という学校の存在を知ってからというもの、普通高校は全く眼中になく、高専一択でした。



勉強に部活動に寮活動と、いろいろやりたいことが多すぎて、毎日何かと忙しかったけれど、楽しい5年間だったよ。
高専進学が「地獄」になる可能性も!向いていない子の特徴


残念ながら、高専への進学が合わない学生も毎年一定数存在します。
「なんで高専に来てしまったんだろう…」と後悔することのないよう、以下の特徴に当てはまる場合は、慎重に考える必要があります。
- 工学に全く興味がない、もしくは理系科目が苦手
- 学校や塾に言われるがままに、受け身の勉強しかやってこなかった
工学に興味がない、もしくは理系科目が苦手
- 偏差値や内申点で行けそうだったから
- 家に近かったから
- 就職率100%に惹かれたから
- 本当は普通高校に行きたかったけど、親や先生に勧められたから
といった理由で安易に高専を選んでしまうと、工学への興味がなければ日々の勉強は苦痛でしかありません。
もちろん、入学後に工学に興味を持つようになる学生も一部にはいますが、それは稀なケース。
受け身の学習姿勢から抜け出せない子
高専では、中学までの「塾や学校で言われた通りの勉強」だけでは通用しません。
高専生がよく言うのは、



塾や学校で言われた通りの勉強しかしてこなくて、試行錯誤しながら自分なりの勉強法を今まで微塵も考えたことのない人は、やめといたほうが良いよ。
という言葉です。
勉強法は先生や先輩、友人からヒントはもらえても、基本的に自分で考えて試行錯誤しながら学習を進める必要があります。
自ら疑問を持ち、調べ、工夫する力が求められるのです。



勉強方法も大学に近いですね。学校側もできる限りサポートしています。


もし、「自分からモノを作ったことがない」「自分で何かを組み立てたことがない」「自分から何かを調べたことがない」という場合は、高専の学習スタイルに馴染むのが難しいかもしれません。
高専の向き・不向きのまとめ!親として導く進路の結論


これまでの解説を踏まえると、お子さんが高専に向いているのか、向いていないのかを考える上で、以下の点が重要になります。
高専生活が「天国」になる!向いている子
- 工学に強い興味がある
- 夢中になって取り組める何かがある
- 自分の頭で考えて行動できる
このようなお子さんは、大学受験に縛られることなく、高専の5年間で自分のやりたいことに存分にチャレンジし、充実した学生生活を送れるでしょう。
たとえ合格ラインぎりぎりで入学したとしても、高専の勉強が肌に合えば、トップ争いをするまでに成長する可能性も秘めています。
高専が大好きで覚悟を決めて入学した子にとって、高専はまさに天国。




高専生活が「地獄」になる可能性も…向いていない子
- 自分から何かを作ったり、組み立てたりした経験がない
- 自分から積極的に調べたり、探求したりする習慣がない
- 工学に興味がなく、安易な理由で高専を選ぼうとしている
深く考えずに高専を選んでしまい、興味を持てずに苦しむお子さんの姿を見るのは、親にとっても辛いことです。
高専は普通高校とは全く異なる教育システムであり、大学に近い専門性の高い学びが特徴です。
普通高校の感覚でいると、



こんなはずではなかった
となってしまうことも少なくありません。
高専にトップ合格をしたのに、勉強が合わずに留年すれすれをさまよっている、なんて話はよく聞きます。
こうなってしまうと、子どもにとって高専の5年間は地獄になりかねません。
深く考えずに進学してしまい、勉強が合わずに5年間苦しみながらもなんとか卒業するか、それとも退学して他の道を探すか…。
退学は、子どもにとっても親にとっても時間的・経済的負担が大きいものです。
子どもの未来のためにも、高専について親子でしっかりと調べ、良いところと悪いところをしっかり話し合ってください。
普通高校は中学校の延長のようなところがありますが、高専は大学に近いです。普通高校の感覚でいると「こんなはずではなかった」となってしまいます。


最後に:子どもの未来を真剣に考える
これは高専に限らず、普通高校や大学でも同じことが言えます。
どんな学校でも、校風に馴染めなかったり、学びが合わなかったりして、途中で辞めていく生徒はいます。
進学校でも、工業高校でも、商業高校でも、それは同じです。
- 子ども自身は何をやりたくて、学校で何を学びたいのか
- どんな学校なのか
上記2点をよく考えた上で高専を選ぶことが何よりも大切です。
親も子も納得し、前向きな気持ちで進路を決められるよう、親として最善のサポートをしてあげてください。


もし、子どもの高専受験について具体的に相談したい場合は、高専受験に特化した塾である高専塾「ナレッジスター」のような専門機関に相談してみるのも一つの方法です。
子どもにとって後悔のない進路選択ができるよう、様々な情報を集め、熟考してくださいね。
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