5年生になってすぐの5月から始まるのが、大学への編入試験(ただし就職組よりも若干動きは遅いです)。
進学希望の学生は遅くとも4年生の夏頃から編入試験対策を始めます。
編入試験の日程は大学によって異なり、早いところは5月から、多くは6、7月、旧帝大は8月頃に行われます。
どの大学へ進学するのか、最終的に決めるのは学生本人。基本的に担任の先生と相談しながら決定します。
そこに保護者がどの程度介入するのか、4年生の春休みに行われる三者面談で確認がされますので、それまでに親子で方針を話し合っておきましょう。
ちなみに我が家は、
自分の人生は自分で決めろ。親は、求められたらアドバイスはするけれど、それ以上のことはしない!
という方針のもと、三者面談以後は先生と相談しながら本人の意志で決めさせました。
本記事では、娘が豊橋技術科学大学に進学先を決めるまでの過程と、合格までの実体験について紹介します。

編入試験対策ができなかった娘の現実

進学希望の学生は、本来なら4年生の高専大会が終わると部活動の参加頻度を下げ、本格的に受験勉強を始めます。
実際に4年生になると部活動への参加頻度は下がった娘ですが、それ以上に寮生会活動が忙しすぎました。
寮生会長としての役目を終えたのが4年生の2月末。4年生の3月から各大学の情報を集めて試験対策をするなんて、かなり厳しい状況です。
推薦入試に絞った理由
編入試験の情報を集めれば集めるほど、編入試験対策が何もできていないことに対する焦りが発生します。
しかしこれまでの高専生活の棚卸しをしていけば、自分に合った道が見えてくるものです。

編入試験は一般を諦めて、推薦を狙っていくしかない!
と推薦受験に絞り込み、各大学の推薦入試の推薦条件や学力試験の情報を集めていきました。
推薦を受けるためには、学業成績がまず高専側の推薦準を満たしている必要がありますが、これは難なくクリアしていました。
推薦を行っている大学は限られていますし、募集人数に対する推薦枠も大学によって大きく異なります。
選択肢は少なくなりますが、逆に迷いが少なくなり選びやすくなっていると言えます。
推薦入試は合格したら、必ずその大学に入学しなければならないりません。つまりは、
推薦で狙えそうな大学があったら、そこが第一志望!



本当にいいのか?自分がやりたいことで選ばなくていいのか?
と、親としては思わなくはないですが、本人がそうしたいのなら仕方がありません。
推薦入試は、学力試験だけでなく、課外活動やこれまでの成績が大きく評価されます。選択肢は限られてしまうかもしれませんが、日々の努力が評価される有効な戦略です。
課外活動で評価された実績


大学は、単に成績が良い学生だけでなく、学業以外にも真面目に打ち込める、意欲ある学生を求めています。
推薦入試では、以下のことが評価されます。
- 学業において、日頃から安定した好成績を収めている
- 学業以外の活動も頑張っている
真面目で学業以外の活動も頑張っていた学生は、企業だけでなく大学も欲しがる人材。



推薦で入ってきた子は、真面目な子が多くて好印象。
推薦受験のシステムは大学により学科により異なります。詳しくは志望する大学の編入試験情報をご覧ください。一般的に推薦入試は、「学力試験」+「面接試験」を課しているところが多いです。
豊橋技術科学大学の推薦入試
学力に関しては、学校推薦を受けられているという段階でクリアしていると、考えられているのかもしれません。



ここ狙う。課外活動なら自信がある!
ということで、豊橋技術科学大学を第一志望にして、推薦入試に挑戦することにしました。
1年生~4年生まで、どのような活動をし、どのような実績を残したのかを推薦書に記入します。
娘の提出した実績は以下の通り
- 部活動(3年時はコロナで大会中止)
-
- 1年生:高専大会東海ブロックで入賞
- 2年生:高専大会東海ブロックで入賞、卓球部部長
- 4年生:全国高専大会出場
- 複数の市内大会で優勝
- 寮活動
-
- 2年時:階長
- 3年時:棟風紀・学習支援部長
- 4年時:寮生会長
- 寮生活動の一環としての地域貢献活動



枠に書ききれずに捨てた実績もあったぐらい。大変なことも多かったけど、いろいろなことに挑戦してきて良かった!
寮の役職経験者や全国高専大会に出場した先輩に、豊橋技術科学大学に推薦で進学した人が比較的多いことに、娘が受験する時になってはじめて納得できました。
寮生会活動や部活動を熱心に行っていると、大学編入試験対策なんて、なかなかできないですからね。
課外活動を高く評価してくれる技科大を受験する気持ちは、理解できます。
合格発表の瞬間


推薦の応募締め切りから合格発表まで1ヶ月半以上の間がありました。受験生にとっては長くて不安な期間です。



落ちてたらどうしよう



あんたの成績で落ちたら、他の誰も受からんわ
などと友人たちにツッコまれていたのだとか。
高専の推薦受験のときとは異なり、親は受験番号を知りません。
合格発表当日、大学の合格者の番号一覧を見ても、受かっているのかどうか全くわかりません。
合格発表のその時まで、親だって受験生同様に不安ですし、合否の判定は早く知りたいもの。LINEで聞きました。



大学どうだったの?



受かってたよ
合格するか不安で仕方がなかった割には、なんだこのあっさりした返事は!
受かるとは信じていたけれど、結果を聞くまで親だって不安なのだから、合格していたらすぐに教えてほしかったな。
推薦入試は本当に楽なのか?



あいつ、高専のときも大学のときも全然受験勉強せずに受かっちゃったのか!?楽してないか?この先、大丈夫か?



推薦なんて誰もができるわけじゃないし。日々の努力や苦労があるから、楽とは言い切れないんじゃないの?
学校推薦をもらうためには、上位の学業成績を維持していることが必要です。
部活動で好成績を残せたのも、たまたま小学生の頃から卓球を習っていたからにすぎないかもしれませんが、大会で入賞するためにはそれなりの努力が必要。
寮生会の役職につくためには学業成績だけでなく、リーダーシップや協調性、人望がなければ務まりません。
これらは一朝一夕にできることではないですし、日頃の努力と活動が認められた結果だと思っています。
人によって得手不得手があります。推薦だから、一般だからといって、どちらが楽とか決して言い切れるものではありません。
保護者への補足:塾の利用について
我が家は利用しませんでしたが、最近は高専専門の塾「ナレッジスター」などで編入試験対策をする学生も増えているそうです。
特に推薦ではなく一般入試で挑む場合は、数学や専門科目の範囲が広く、独学では難しいと感じる学生も少なくありません。
そうした場合には、こうしたサポートを検討するのも一つの方法です。
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まとめ
娘は「推薦」という道を選び、豊橋技術科学大学への進学を勝ち取りました。
そこに至るまでには、部活動・寮生会活動・学業での努力という、日頃の積み重ねがありました。
推薦入試は決して「楽な道」ではありません。普段の頑張りをきちんと評価してくれる制度だからこそ、学生自身の歩み方が試されます。
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