沼津高専では、毎年秋頃(11月~1月)になると、学科説明会が在校生の保護者向けに開催されます。
学科説明会って、各学科で何を学んでいるのかを説明するんでしょ?行く意味なんてあるの?
なんて思ったら大間違い!
学科説明会は、単に学科の説明をするわけではありません。
以下のようなことが説明されるので、参加しないなんてひじょうにもったいないです。
- 担任の先生によるクラス紹介
- 就職担当の先生による今年度の就職状況
- 進学担当の先生による今年度の進学状況
普段子どもたちがどのような学校生活を送っているのか垣間見れるし、上級学年の担任の先生たちのクラス紹介は、子どもの将来を考える上で必要な重要情報が詰まっています。
担任の先生によるクラス紹介
学務関係、教務関係、寮務関係の話は教育講演会支部会でも聞くことができますが、クラス担任によるクラス紹介はここでしか聞けません!
担任の先生が、今年のクラスの雰囲気などをパワーポイントを使用して写真とともに紹介してくれます。
同じ学科でも、年度によってクラスの雰囲気が全く違うことはよくあること。
私はM科の○年を受け持つのは3回目なんですが、今年のクラスは今まで受け持ったクラスの中でまとまりがあるクラスで…。
写真の中に、自分の子が写っていないかどうか探したりなんかして、見つけたらそれはそれで嬉しくて、
なんかみんな楽しそうだなぁ。みんなと仲良く楽しくできているのなら、親としても嬉しいな。
といろいろなことを思いながら、毎回楽しく拝聴しています。
先生目線でのクラスの状況を知る唯一の機会です。
しかしそれ以上に最も価値があるのは、この後に行われるその年の就職状況と進学状況の説明ではないでしょうか!
高学年は進路に関するスケジュールの話も
4年生や5年生になると、卒業後の進路をどうするのか真剣に考える始める大切な時期になります。
まだ低学年のうちはなかなか実感がわかないかもしれません。
就職の際に、進学の際にいつ頃からどのような活動が始まるのか、クラス担任としてどのように学生たちに働きかけているのか、家庭ではどのようなアドバイスをしてほしいのか。
低学年のうちから知っていても損はない情報ばかりです。
わかっていれば、その時になって慌てなくてすみます。
就職担当の先生によるその年の就職状況
4年生が参加するインターンシップ活動のスケジュールの説明があり、就職状況の説明があります。
就職に関する説明
就職活動は、年度による違いがありますが4年生の2月~3月ごろに解禁となり、就活イベントが開催されます。
2月末から4月にかけてエントリーが始まり、学校推薦の場合は6月1日に解禁されるなど、その年の就職に関するスケジュールが説明されます。就職に関するスケジュールは、年度により多少前後します。
- 就職活動に関するスケジュール
- その年の求人数と就職状況
- 企業が求める人材像
- 企業選び
- 就職指導
就職希望者のほぼ全員が学校推薦(内定辞退不可)で就職していきます。
学校は、学生を企業に推薦するために推薦書を書きます。技術者としての基礎学力・知識、コミュニケーション能力は当たり前のことですが、部活動や役員経験、地域貢献活動などがあれば、エントリーシートのネタにもなりますし、面接のネタにもなります。
多少成績が悪くても、クラブ活動などの通して、学業以外の経験や能力も身につけている人材が欲しいです。
推薦書を書く時、何も活動をしていない学生はネタがなくて苦労するんです。
親にしてほしいこと
会社名を見ても、学生たちにとっては知らない企業ばかり。
B to C企業は一般的に広く知られていますが、B to B企業は優良企業なのに一般的には名は知られていないばかりに、親に反対されることしばしばあります。
保護者の方も企業について一緒に勉強し、子どもがどんな仕事に就きたいのか、子どもがどんな仕事に向いているのかを考え、社会人の先輩としてのアドバイスをお願いいたします。
進学担当の先生によるその年の進学状況
就職状況の説明から、進学状況の説明へと移ります。
ちなみに、就職する学生と進学する学生の割合は、学科によって大きく異なります。(機械科は就職する学生が多いが、物質工学科は進学が多い)
- 進学者の割合と進学状況
- 大学への推薦入試と推薦基準
- 進学指導に関すること
推薦入試は志望校が第一志望だった場合にのみ可能で、合格した場合はその大学へ進学しなければなりません。
編入試験は一般の大学入試とは日程さえ異なれば複数受験が可能です。
編入試験は試験日だけでなく、申込日、合格発表の日、入学確約書提出日を確認しておく必要があります。
本命校の合格発表日よりも滑り止め校の入学確約書提出日が早かった場合、大きな掛けをすることになります。
高校のような受験指導はありません
高校生が受験する大学を決める時、模試の偏差値を参考にします。
しかし、大学編入の場合には偏差値というものは存在しません。
それに加えて、大学受験と違って編入試験問題が大学ごとにあまりにも違うため、高専側としては統一的な進学指導を行うことはできません。
進学したい大学は、自分で探して選びます。
編入後、学部で学ぶことは高専で学ぶことと重なる部分が多いので、進学する場合は大学院まで進学することを前提に考えておいてください。
進学するなら大学院まで行くことが前提であることが分かっていないと、親子喧嘩のもとになります。
大学院までの進学が前提なのは、理系大卒親なら分かるよね。
最後に
学科ごとに開催されるので「学科説明会」になりますが、学科説明会という言葉からこのようなことが説明されるなんて、なかなか想像できるものではありません。
でも同時に、「学科説明会」の他に表現する言葉も、私は思いつきません。
「学科説明会」ってなんだろう?よくわかんないから、参加してみようと思って参加したら、有益情報が多すぎてびっくり。
仕事等で出席できない人もいるかと思いますが、有給を取得できるなら、是非参加してみてください。
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