娘が「高専に行きたい」と言い出すまで、高専に関する知識はないに等しいものでした。
当時の私が抱いていたイメージは、
- 男子が多い工学系の学校
- ロボコン
- トップ校へ行くような頭のいい子が行く
- マイナー
- 5年制の学校
- 短大卒扱い
- オタク率が高そう
それ以上でも以下でもありませんでした。これでもよく知っていたほうかもしれません。
学校の雰囲気としては大学の工学部イメージ。
現実の高専は、上述のことが当たっているものもあれば、そうでないものもあります。
高専のイメージと実態
男子ばかりで女子は少ないのか
高専全体としては、女子の割合は約2割です。
高専機構が公開している資料によりますと、下の世代になるほど女子の割合は微増しています。リケジョが増えているということの現れなのでしょう。
学科により男女比に大きな差があり、土建系は約3割、生物・化学系に至っては約4割が女子です。
例外的に、デザイン系や経営系の学科は、女子が7割を占めます。
機電系…、年によっては女子0のことも……。
近年は0という数字を見かけなくなってきたので、メカニック女子が増えてきたということで良いのかな。うちの娘もレアなメカニック女子ですし……。
高専といえばロボコン
学校をあげて挑むイベントかと思っていたら、ただの部活動の大会だったんですね。
全国大会だけでなく、地域ブロック大会もTV放映されます。
学生へのインタビューや、ロボコン大会前の試作段階からTVに映っていることもあるので、高専といえばロボコンのイメージが強いです。
地域のトップ校へ行くような成績優秀な子が行く
特に年配の男性からはこのようなイメージで見られることが多いです。
特に年配男性からは
めちゃめちゃ頭いいんだっ!なんでトップ校に行かなかったの?
と引かれるレベルで驚かれます。
大学進学がまだそれほど一般的ではなかった頃、大卒並みの知識を得られ、大学よりも安く早く社会に出ることができると重宝がられた時代がありました。
実際に、中学校でトップ争いをしている子が受験していました。
昔は、地域のトップ校よりも偏差値的に上(私の出身県の話)。
大学進学が一般的になってくると同時に、高専よりも大学進学に特化した進学校が選ばれるようになっていきました。
今は地域にもよりますが、その地域のトップ校と変わりないレベルの高専もあれば、トップ進学校のやや「下に位置している高専もあります。
頭がいいかどうかなんて、学校によりますし、何よりも本人によります。
マイナーな学校
娘が中学時代、高専を受験することを友人たちに話していたときのこと。
成績上位陣はみんな「高専」知っているんだけど、下位になるにつれて「高専?どこそれおいしいの?」みたいな反応されるから、いちいち説明すんの面倒。
お陰で初対面で高専に対する相手の反応を見ると、相手の頭のレベルが分かるようになっちゃった。
バイト先でも、
高専?はぁ?どこの専門学校?
という反応する人がいて、通っている高校名を聞くと、「あぁ……」って思うらしい。
部活動の大会で入賞して表彰されたときは、
沼津高等工業専門学校
どこだよそれ。ちゃんと工業高等専門学校って書いてあるのに、読めないのかよ。
時々、高等専修学校になっていたり…、かなりの確率で正しく読んでもらえないようです。地元民のくせに……。
5年制の学校
5年制の学校だということを私は知っていましたが、なぜかよく
高専って、4年行くんだっけ?
とよく聞かれます。
5年制だっつうの!何度説明したことか。
『呪術廻戦』に登場する東京都立呪術高等専門学校は4年ですが、実際の高専は5年です。
高専が4年制と勘違いされることが増えたのは、絶対『呪術高専』の影響だと思う。
短大卒扱い
高専は5年のカリキュラムを修了すれば、短大卒と同じ準学士の資格を得ることができます。(ただし、準学士なんていう学位があるのは日本だけです)
企業からの扱われ方は、企業によります。
大卒並みに扱ってくれるところもあれば、高卒と同じところもあり…。
そこは就職する時に確認する他ありません。
オタク率高そう
オタク率は普通高校より多いと思います。
その一方で、チャラい子も多いです。
ただやはり、服装のセンスは高専生です(理系男子であり理系女子ってこと)。首都圏文系のような華やかさはありません。
入学前は知らなかったこと
いろいろと高専について調べて分かったこと、イメージだけではわからないこともありました。
- 専攻科の存在
- 長期休暇期間中の閉寮
- 先生方は博士号を持つ教授
- 高専出身の先生が多い
- 兄弟で高専生が多い
- 親も高専卒のことが多い
- 金髪やピアスは普通にいる
私は高専に留年があるなんてことを、子どもが入学するまで知らなかったよ。高校と同じように、みんな進学できるものだと思っていた!
専攻科が存在していること
専攻科の存在は、マジで知りませんでした。
高専本科を卒業した後、専攻科に進学して卒業すれば、大卒と同じ学士の資格を取ることができます。
専攻科を卒業して就職する場合、一般の大学生と同じような就職活動をするのだけれど、相手が知らないことも多く、ほぼ毎回説明するのがちょっと面倒くさい。
長期休暇中は閉寮してしまう
これは分かっていたからって、それほど大したものではありません。
ただ、長期休暇のたびに荷物の大移動をしなければならないのが面倒くさいです。
ちょっとした引っ越しですからね。
高専の先生方は博士号持ち
高専の先生方は、大学と同じように博士号を持ち、大学と同じように教授、准教授、助教です。
そして、高専間だけでなく国立大学の間とも人事異動があります。
現沼津高専の校長は、東工大から異動してきた先生。
高専出身の先生方
先生方は、高専を卒業した後大学に進学し、博士号まで取得した方が多い印象です。
だから、高専のことも大学のこともよく知っています。
私が高専生だった頃はね……。
なんて、先生が高専生だった時代の思い出話を話してくれることがあります。
親兄弟も高専
上の子が高専に進学してみたら、高専がすごくいい学校だと分かったから下の子たちも高専に進学させたよ。
入学前は高専のことをほとんど知らなくて不安だったとしても、1人行ってしまえばそんなものは吹き飛んでしまいます。
工学に限定されてしまうけれど、高専卒業後は進学してもよし、就職してもよし。
大学受験のことを考える必要がなく、自分がやりたいと思ったことを、5年という時間を使って思う存分楽しむことができます。
親が高専出身者なら、なおさら高専の良いところも悪いところも知っているので、自分の子どもに高専をすすめるのでしょう。
金髪やピアスは普通にいる
キミたち~。ぜひサッカー部のマネージャーに!
入学説明会でサッカー部が練習をしている横を通る時、マネージャーに勧誘してきた男の子は、見事な金髪でした。
実習の時は危険なので外しますが、1年の夏休み明けにはピアスの穴を開けてくる子が現れ始めます。
高専大会を見に行くと、ピアスを付けた男子学生や色とりどりに髪を染めた学生を目にするので、ファッションだけでも普通高校の大会とはまた違った雰囲気があります。
最後に
みなさんが高専に抱くイメージはどのようなものでしょうか?
イメージは、人によって違うと思います。
私のイメージは上述したようなものでした。
だいたい合っていたものもあれば、入学してはじめて知ることも多くあります。
イメージだけで語らず、実態をある程度分かった上で高専に入学するほうが良いに越したことはありません。
私はまだ出会ったことはありませんが、
高等専門学校と専門学校の違いが判らない人がいる
らしい。
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